これからドローンを始める方にとって、国家資格取得のためのドローンスクールの選び方は、今後のドローン人生を大きく左右するほど重要です。
しかし、スクールの数が多すぎて、初心者はどのように選べば良いか迷ってしまうのではないでしょうか。
ドローン業界歴10年の経験をもとに、業界に忖度なしで、後悔しないためのスクール選びのポイントを伝授します!
目次
ドローンの業種を明確に
まず、ドローンを始めて何をしたいのかを明確にすることで、スクールの選び方も絞られてきます。
・CMの空撮がしたい!
・赤外線外壁点検がしたい!
・農薬散布がしたい!
・写真・LiDAR測量がしたい!
・業務の一環で資格取得が必要!
このように、始めるきっかけは人それぞれです。
ドローンスクールにも得意分野と不得意分野があり、在籍している講師のスキルレベルによって、そのスクールのレベルはほとんど決まります。
今後、自分が進みたい業界の分野に精通しているスクールを選ぶことが、正しいスタートとなります。
ドローンスクール選びのポイント
2025年1月現在、全国には773校もの国家資格を取得できる認定講習機関があるようです。
自動車教習所とは異なり、「通学しやすい場所」「家の近くだから」という理由だけでドローンスクールを選ぶと、後悔することになりかねません。
質の低いドローンスクールで資格を取得したために、航空法も操縦技術も身についていない事業者を数多く見てきました。
スクール選びのポイントをしっかりと吟味し、最適なドローンスクールに入校しましょう。
金額がHPに明確に記載されている
受講料がホームページ(HP)に明確に記載されていることが重要です。
初学者向け、経験者向け、補講費用、再修了審査費用などが、HP上で分かりやすく記載されているスクールを選びましょう。
講習金額が問い合わせや説明会に参加しないと不明なスクールは避けるべきです。
現状、ドローンスクールの金額は決して安くはないため、しっかりと比較検討しましょう。
経験者枠の定義が明確か
経験者枠で受講できるかどうかは各スクールの判断に委ねられています。
基本的には、民間資格の保有を条件にしているところが多いようです。
当該スクールが独自に展開している民間資格の取得を必須とするなど、余計な条件がある場合は、費用がかさむだけなので除外しましょう。
経験者枠での受講を検討している場合は、「DJI CAMPスペシャリスト」の資格取得がおすすめです。比較的安価なスクールであれば5〜6万円程度で取得可能です。
どの分野に精通しているのか
当該スクールが何を得意分野にしているか確認しましょう。
建設・測量会社が母体なら測量・土木系の業務に強く、講師陣にクリエィティブ撮影実績があればエンタメ系に強いといった特徴があります。
様々なバックボーンを持っている講師が複数在籍しているスクールが望ましいです。
自身が経験をつみたい業種を得意としているスクールを選びましょう。
取得日数の短さをアピールしていない
「2日で取得可能!」といった宣伝をよく見かけますが、経験者が短期間で資格取得できるのは大きなメリットです。
しかし、初心者が短期間で資格を取得できたとしても、試験に合格するための知識や技能は身についても、実際の運用技術まではスクールではほとんど身につきません。
資格に合格させるためだけの指導になりがちです。
試験に何度不合格になっても、親身に寄り添い、しっかりとフォローしてくれる環境があるスクールを選びましょう。
講師陣の顔写真と経歴が掲載されている
どんな人が指導してくれるのかは、今後のドローン人生を左右する非常に重要な要素です。
HPに「実績多数!プロパイロット!」などと記載があっても、インストラクターの顔写真と経歴が掲載されていないスクールが多く見受けられるので注意が必要です。
顔写真と経歴がきちんと掲載されていれば、スクールが自信を持ってアピールできるインストラクターであると言えます。ただし、掲載されている実績に関しては注意深く確認してください。中には、評価できないような実績を掲載しているケースも存在します。
自身が目指している業種の案件実績が豊富で、操縦技術も高いインストラクターに指導してもらうのが、最も早く成長できる道です。
「社内独自の認定試験に合格した講師」と記載があっても、社内独自であるため、その技量レベルは全く分かりません。
実務経験のないインストラクターに教わることのないようにしましょう。
業界歴7〜8年以上
ラジコンヘリコプターやラジコン飛行機からドローン業界に参入したインストラクターは、操縦技術に関しては申し分ないことが多いでしょう。(ただし、そうでない人も稀にいるので注意が必要です)
ドローン経験が5年未満のインストラクターは、ドローンの性能が成熟してから業界に参入してきているため、ドローンの操縦の難しさを知らない可能性があります。「ベテラン」「プロパイロット」などと書いてあるだけのスクールは、一度疑ってかかるべきです。
一つの指標として、ドローン業界の経歴が8年以上あるかを基準にしてみてください。意外と選択肢が絞られるはずです。
常設の練習場所があるか
ドローンスクールが自由に使える専用の練習場所を確保していると、しっかりと練習時間を確保できます。
座学会場に屋内・屋外の練習場が併設しているのが最も望ましい形です。練習場所が座学会場とは別の場所にある場合は、移動時間なども事前に確認しておきましょう。
屋外の練習場は、ネットで囲われている屋上施設やフットサルコートでは十分とは言えません。グラウンドのような広い場所でドローンを飛ばせるスクールであれば、実際の運用に即した飛行方法なども経験させてもらうことができます。卒業後も練習場所として開放してくれるスクールもあるので、確認しておきましょう。
通年開催しているか
講習の申し込みがあった場合のみ開校し、練習施設をレンタルしているスクールは、受講期間中に合格できないと、次回の開催まで修了試験がずれ込む可能性があり、資格取得までの期間が長引く原因になります。
スクールが毎日開校されている場合は、補講や再修了試験なども柔軟にスケジュールを組むことができます。
通年開催のスクールであれば、合格させるためだけの詰め込み教育ではなく、受講者のペースに合わせた丁寧な指導をしてくれる傾向にあるでしょう。
また、通年開催のスクールは、練習施設を卒業後にも使用させてくれることが多いです。
模範演技を実施してくれる
説明会などで実際にデモフライトを見せてくれるスクールは、より安心できます。
入校してみないと分からない場合もありますが、インストラクターがきちんと模範演技を実施してくれるかどうかを、申し込む前に確認してみるのも良いでしょう。
指導が上手くても、操縦が下手なインストラクターは少なくありません。
上手な手本から得られるものは非常に多いです。
上手なドローン操縦がどのようなものか分からない場合はPROパイロット技能認定などの動画を参考にしてみてください。
限定解除が全てできる
一等、二等の基本講習に加えて、夜間飛行、目視外飛行、25kg以上の機体の限定解除講習を全て受講可能なスクールがベストです。
二等のみしか受講できない、25kg以上の機体は受講不可といったスクールも多く見かけますが、将来的なステップアップを考えた場合、卒業したスクールで限定解除ができないのは大きなストレスになります。
他校で基本を受講した場合、スクールで限定解除を認めてくれないケースもあるので注意が必要です。
アフターフォローがしっかりしているか
業務を始めた際に頼りにできる講習機関かどうかも重要です。
飛行申請のサポート、購入機体のサポートや屋外での飛行イベントなどがあるといいでしょう。
資格取得とは別に、産業案件に特化したカリキュラムがあったり、業務につながるコースが設定されているのかも確認しましょう。
受講生同士の交流があるか
卒業生同士が交流できるコミュニティなどがあると、業界での仲間を見つけたり、ビジネスアイデアが生まれたりと、様々なメリットがあるでしょう。
案件同行の制度があるか
スクールが案件業務を請け負っている場合、現場同行の機会があるかもしれません。
また、講師が個人的に請け負っている業務にアサインしてくれる場合もあるでしょう。
補助員としてでも実際の業務に参加してみることで、経験値を大きく上げることができます。
ドローンは稼げる!と過剰宣伝していない
資格を取得しただけでは、すぐにドローン業界で稼げるわけではありません。市場は成長していますが、資格を取得したばかりの初心者には、どの業種でも仕事がないのが現状です。
レッドオーシャンに飛び込む覚悟のある方のみ参入するべきです。しっかりと将来のビジョンを考えてから受講するようにしましょう!
まとめ
これだけのポイントをクリアできているドローンスクールは全国でも1割ないかもしれません。
これからドローンを始めようとする方が、間違った選択をして後悔しないように、忖度なしで選び方のポイントをまとめました。
現時点(2025年3月)では、国家資格を取得していなくてもほとんどの業務を実施することができます。必要に応じて、しっかりとスクールを選び、国家資格取得を目指しましょう!
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