ドローンの係留飛行とは?許可不要になる条件と注意点を解説

2025年5月14日 点検・産業 航空法

国土交通省が規定する「係留飛行」とは

係留飛行とは、無人航空機(ドローン等)を十分な強度を持つ紐やワイヤー(長さ30m以下)で地面や建物等の係留点に結びつけて飛行させる方法です。これにより、ドローンの移動範囲が物理的に制限されます。

係留飛行に関する主な規定と要件

係留に使う紐等は十分な強度を持つこと
プロペラ等が接触しても断線しない強度が必要です。使用前に点検し、断線しないよう管理します。

係留紐の長さは30m以下
30mを超える場合は通常の飛行と同じ扱いとなり、許可・承認が必要です。

飛行可能な範囲内への第三者の立入管理措置が必須
ドローンが動ける範囲(紐の長さの範囲)には、第三者が立ち入らないように看板やコーン、補助者による監視などの措置を講じる必要があります。

移動物への係留は不可
自動車や人が紐を持って移動しながらの飛行(えい航)は、係留飛行には該当しません。

許可・承認が不要となる飛行

係留飛行と立入管理措置の両方を行った場合、以下の飛行については個別の許可・承認が不要となります。

許可不要となる飛行許可が必要な飛行
・人口密集地上空(DID)での飛行
・夜間飛行
・目視外飛行
・第三者から30m以内の飛行
・物件投下
・空港等周辺での飛行
・地表または水面から150m以上の空域(ただし物件から30m以内を除く)
・イベント上空での飛行
・危険物輸送
・緊急用務空域での飛行

※ただし、空港周辺や緊急用務空域、イベント上空、危険物輸送などの場合は、係留飛行であっても引き続き許可が必要です

係留飛行の具体例と補足

建物や橋梁の点検
建物等に沿って主索を設置し、主索とドローンをスライド環などで結ぶことで、点検作業にも利用できます。この場合も連結索の長さが30m以下である必要があります。

高度150m以上でも例外あり
高層ビル等の物件から30m以内の空域であれば、地表から150m以上の飛行でも飛行禁止空域から除外され、許可が不要となります。ただし、空港周辺や緊急用務空域では引き続き許可が必要です。

まとめ

国土交通省の規定する係留飛行は、「30m以下の強度ある紐等で係留し、第三者の立入管理措置を講じる」ことで、人口密集地・夜間・目視外・第三者接近・物件投下といった多くの飛行が許可不要で実施可能となります。

ただし、空港周辺やイベント上空など一部の空域では引き続き許可が必要です。係留飛行を実施する際は、紐の強度・長さ、立入管理措置の徹底など、安全面に十分配慮してください。