しかし、ドローンは便利な反面、安全管理を怠ると重大な事故につながる可能性もはらんでいます。そこで重要となるのが、安全監視員の存在です。本記事では、ドローン空撮における安全監視員の役割と、求められるスキル・素質について解説します。
目次
安全監視員の役割
・ドローンの飛行状況や周囲の安全確認を行い、操縦者へ必要な情報提供や指示を出すこと
・飛行経路の安全確保、第三者の立ち入り制限、気象状況の監視、緊急時の対応など
・安全監視員は、操縦者が飛行に集中できるよう、周囲の状況を常に把握し、安全な飛行をサポートする重要な役割
安全監視員に求められるスキル
ドローンに関する知識:
・操縦経験が一定時間あること。自身もオペレーションに関する業務に従事していること
・飛行させるドローンの扱いに慣れていること
・航空法について警察官と対話できる程度の知識を有していること
状況判断能力:
・刻々と変化する状況を的確に把握し、適切な判断を下す能力
・緊急時には冷静かつ迅速な判断が求められます
コミュニケーション能力:
・操縦者や撮影スタッフと円滑なコミュニケーションを図り、情報を共有する能力が重要です
・状況を正確に伝え、指示を的確に理解する能力
集中力と注意深さ:
・長時間にわたる監視業務でも、集中力を維持し、細部にまで注意を払う必要があります
・小さな変化も見逃さず、安全を確保するための注意深さ
用語の統一
オペレーターと安全監視員の間の指示言語の統一は安全性を高める上で非常に重要です。
用語を統一していないと「さがってー」と声をかけた際に、高度を下げるのかドローンを後ろに進めるのかオペレーターは瞬時に判断することができません。
安全監視員に限らず2オペで撮影する時などカメオペとの連携にも言語統一は大切です。
弊社の一例を下記に示します。
飛行中の指示
・降下させる場合
「高度さげー」
「下部クリアー」「木まで〇〇m、3,2,1,停止」(マージンを取ること)
・後進させる場合
「バックー」「後方クリアー」
・周囲に障害物がない場合
「周囲クリアー」、「右方向クリアー」等
・周囲に障害物がある場合
「前方障害物あり」「右前方電柱注意高度あげー」等
・後進上斜め昇している場合
「上昇OK〜」「上昇そのまま」
「上昇率あげー」(上昇率が足りなくて障害物に干渉しそうな場合)
・着陸する時
「着陸地点クリアー」(オペに伝達)
「着陸します」(周囲に伝達)
緊急停止を求める場合
「停止・停止」or「ストップ・ストップ」
危ない時は監視員が命令して止めること!何で止めたかは止まった後の伝達でOK
鳥に襲われそうな時
「鳥接近注意」「鳥接近上昇して」「鳥離脱。クリアー」
目視外になる時
「目視外まで〇〇秒、3,2,1,目視外です」→「オペ側で管理」
事前ブリーフィングの実施
・飛行計画の共有
事前に飛行ルート、自動航行ルートなどを共有して安全監視員にも意見を求める。当日の連絡体制や緊急時の対処方法なども共有しておきましょう。
・現地確認
オペレーターと安全監視員+運航関係者で現地状況を確認して、障害物の有無や安全上の注意点を共有する。
上記を必ず実施した上で飛行させるようにしましょう。ドローンの動きや緊急時の動きが理解できていないと監視する側も何を伝えたらいいのか判断に迷いがでてしまいます。
オペレーターから安全監視員に伝えておくこと
スマートな連携を実施するためにもオペレーターからきちんと意思表示をすることが重要です。難しい状況での撮影などは普段やり慣れている人同士でも事前に打ち合わせを行います。撮影の際は様々な情報を聞き分けながら実施しなければいけないのでオペレーターの情報処理能力も重要です。
・飛行中にどんな情報がほしいのか事前に伝えておく
・伝達頻度なども好みがあればきちんと伝える
・飛行中のドローンの動き出しなどは移動方向を監視員に伝えてから操作すること
・どんなにちいさな気づきでも伝えてほしい
こんな安全監視員がGOOD
・指示のタイミングが的確
状況を逐一報告してくれるけどオペレーションの邪魔にならない
・無言にならない
ドローンの状況が分からない空白の時間を作らないこと
・オペレーターが顔を上げたら機体の位置を指差しして教えてくれる
・監督やカメラマンの指示(オペレーターに対する)を的確に判断して動きを予測できる
・着陸後の動きが先読みできている
バッテリー交換するのか、レンズ交換するのか、ND交換するのか等をすぐに実施できるように事前に動ける人
こんな安全監視員はNG
・モニターの映像ばかり見ている
初心者に多くみられるのですが、ドローン監視をおこたってついついモニターばかり見ている方がいます。安全監視員でアサインしている意味がなくなってしまします
・トラブル発生時に慌ててしまう
冷静に対処できない方が見受けられます。緊急時はオペレーターが確認できない周囲の状況判断をして冷静に対処することが求められます。
・指示待ちの人
現場では主体的な行動と能力が求められます。自ら考えて行動できる人が現場に求められています。
あると便利な機材
・同時通話可能なトランシーバー
離れた場所でも連携がとれるので必須アイテムになります。
弊社ではホーリーランドのSolidcom C1を使用しています。
音声もクリアに聞こえて至近距離の通話でもディレイが気にならずヘルメットの上からも装着できるので重宝しています。
・モニター
無線接続されたモニターがあると機体位置を把握しやすくなります。有線でもいいですが行動範囲に制限がでます。
弊社ではDJI SDR Transmissionを使用しています。iphoneでも映像確認できるので非常に便利です。
まとめ
ドローン空撮の現場において、安全監視員は単なる補助者ではなく、安全な飛行を支える重要な役割を担っています。誰でもいいわけではありません。安全に業務を遂行するためには欠かせない人材です。各社しっかりと育成して安全な業務を遂行しましょう。