ドローン点検に役立つ!150m超構造物の“30m以内”特例とは?

2025年5月13日 点検・産業 航空法

150m以上でも許可が不要になる条件とは?

国土交通省が定める航空法では、原則としてドローン(無人航空機)は「地表または水面から150m以上の空域」での飛行には事前の許可申請(高高度申請)が必要です。

しかし、150mを超える高層構造物(例:高層ビル、煙突、鉄塔等)の「30m以内の空域」については、この許可が不要となる特例が設けられています。

詳細な規定内容

原則規制

ドローンは地表・水面から150m以上の空域で飛行する場合、航空法に基づく国土交通大臣の許可が必要です。

特例(30mルール)

高層構造物(煙突、鉄塔、高層ビル等)の周囲「30m以内の空域」では、地表から150mを超える高さであっても、航空機の飛行が想定されないため、禁止空域から除外され、許可申請が不要となります。

「煙突や鉄塔などの高層の構造物の周辺は、航空機の飛行が想定されないことから、地表又は水面から150m以上の空域であっても、当該構造物から30m以内の空域については、無人航空機の飛行禁止空域から除外することとしました。」

適用例

・高層ビルの外壁点検

・鉄塔やタワーマンションなどの設備点検

・CMや映画撮影の際のビルの屋上からの実景撮影

・山岳部の送電線の架線点検など

点検業務発注時のメリット

許可申請の簡略化
構造物から30m以内であれば、150m超の飛行許可申請が不要となり、点検計画やスケジュール調整が容易になります。

迅速な対応が可能
急な点検依頼や緊急時にも、許可取得待ちのタイムロスを削減できます。

コスト削減
許可申請にかかる手数料や書類作成の手間が省け、点検コストの抑制につながります。

注意点・例外

他の規制空域

・空港周辺、緊急用務空域、人口集中地区(DID)上空など、他の規制がある場合はこの特例は適用されません。これらの空域では別途許可や承認が必要です。

飛行方法による規制

・夜間飛行、目視外飛行、30m未満の距離での飛行など、他の飛行方法に関する規制が適用される場合は、別途承認が必要となることがあります。

30mを超えると許可が必要

・構造物から30mを超えて飛行する場合は、たとえ構造物の高さが150mを超えていても、150m超空域の高高度申請が必要です。

まとめ

150m超の高層構造物点検では「30m特例」を活用することで、許可申請の負担を大幅に軽減し、迅速かつ安全な点検業務が実現できます。

ただ、高度150mを超える屋上から飛行させるときは、風が強く吹いていることも多く、コンパスエラーや電波障害なども起こりやすいので経験のある点検業者に依頼するようにしましょう。