目次
撮影案件の事前確認と機材リスト作成
撮影内容の詳細確認
・撮影企画の確認(目的、テーマ、雰囲気)
・被写体、ロケーション(地形、建造物、広さなど)の確認
・必要な画角、高度、スピード、カメラワークなどのイメージ共有
・納品形式、解像度、フレームレートなどの技術仕様確認
香盤、コンテ、カット割の確認と理解
・撮影スケジュール(タイムライン)全体の把握
・各カットの意図、構図、カメラワークの再確認
・ドローンでの撮影箇所、飛行ルート、撮影時間帯の確認
必要な機材リストの作成
・撮影内容、ロケーション、期間、天候予測に基づいた具体的な機材の洗い出し
・メイン機材(ドローン本体、カメラ、レンズ、送信機など)
・補助機材(モニター、バッテリー、充電器、記録メディアなど)
・安全対策機材(消火器、コーン、ロープなど)※撮影場所による
・その他、案件固有の必要機材
機材本体の動作確認とメンテナンス
機材リストに基づき、一つ一つの機材を丁寧にチェックします。
ドローン本体
外観チェック
プロペラ、アーム、ランディングギア、機体表面に傷や亀裂がないかを目視で確認
起動確認
電源が正常に入るか、異音がないか
ファームウェア・アプリの確認と更新
ドローン本体、送信機、インテリジェントバッテリー、カメラ、アプリ(DJI Fly, Pilotなど)のバージョンを確認。最新でなければ更新。
※重要:更新した際は必ずテストフライトを実施してから現場に入る
IMU/コンパスのキャリブレーション
必要に応じて実施。事前テストフライト時がベスト
各センサーの確認
障害物センサーなどが正常に機能するか(設定画面などで確認)
セカンドプロポ(マスター/スレーブ)の接続確認
連携が正常に行われるか
カメラシステム(ドローン搭載カメラ)
カメラ本体の動作確認
電源、各ボタン、ダイヤルが正常に機能するか
基本設定の確認
・撮影モード、解像度、フレームレート、カラープロファイル(D-Log, HLGなど)、記録形式(MP4, MOVなど)の設定確認
・ISO、シャッタースピード、絞り(レンズ側)の調整機能確認
・ホワイトバランス設定の確認
レンズの確認と清掃
・対応レンズ全種が揃っているか確認
・レンズ表面(前玉、後玉)にホコリ、指紋、汚れがないか、ブロアーやレンズクリーナーで丁寧に除去
・レンズに傷や曇りがないか確認
・ズームリング、フォーカスリングがスムーズに動作するか確認
センサーの確認と清掃
・センサーにホコリやゴミが付着していないか目視で確認
必要であれば、ブロアーやセンサー清掃キットで慎重に清掃
フィルターの確認と清掃:
・NDフィルター、PLフィルター、UVフィルターなど、必要なフィルターが揃っているか確認
・フィルター表面にホコリや汚れがないか、レンズ同様に清掃
・フィルターネジ部に問題がないか確認
ジンバルの動作確認:
・電源オン時の自動キャリブレーションが正常に行われるか
・パン、チルト、ロール方向がスムーズに動作するか
・各モード(フォローモード、FPVモードなど)への切り替えと動作確認
・ジンバルキャリブレーションが必要か確認
フォーカスシステムの接続確認
・DJI 3ch Focusがカメラ/ジンバルと正常に連携し、動作するか
モニター、映像伝送システム
・高輝度モニター本体の動作確認: 電源、輝度調整、入力切替などが正常か
・モニター画面の清掃: 指紋や汚れを拭き取る
・映像伝送の確認: ドローンからの映像がモニターに遅延なくクリアに伝送されるか。複数のモニターを使用する場合は全て確認。
・送信機内蔵モニター(スマートフォン/タブレット含む)の確認: アプリ表示、映像表示が正常か
バッテリーと記録メディアの管理
安定した運用にはバッテリーと記録メディアの準備が不可欠です。
バッテリー関係
ドローン用インテリジェントバッテリー
・全てのバッテリーを満充電にする
・バッテリー情報(充電回数、電圧など)を確認
・膨張や破損がないか外観を確認
・必要飛行時間を確保できる本数があるか確認
アクセサリー関連バッテリー
・送信機用バッテリー: 満充電になっているか
・モニター用バッテリー: 満充電になっているか
・フォローフォーカス用WB37、Vマウントバッテリー: 満充電になっているか
その他
・充電器、充電ハブ、モバイルバッテリー等の動作確認
・バッテリーヒーター(寒冷地の場合)の準備と動作確認
記録メディア
・使用するメディア(SDカード、microSDカード、SSDなど)の確認
・フォーマット: 必ず現場で使う機材でフォーマットする
・十分な容量の確保: 撮影時間、解像度、コーデックから必要な総容量を計算し、十分な枚数・容量のメディアを準備
・予備メディアの確認: トラブルに備え、予備のメディアを複数枚準備
・メディアリーダーの動作確認
・メディアケースの準備
周辺機器・アクセサリー、備品の準備
撮影をスムーズに進めるための重要な脇役たちです。
・各種ケーブル:映像ケーブル(HDMI, SDI)、通信ケーブル(USB-Cなど)、充電ケーブルなど、必要なものが全て揃っているか、断線していないか確認
・スタンド、三脚、モニターマウントなど:安定して設置できるか、破損がないか確認
・工具類:プロペラ交換用ツール、簡易な六角レンチセット、精密ドライバーなど、現場での応急処置に必要なもの
・清掃用品:ブロアー、レンズペン、レンズクリーニング液、マイクロファイバークロス、センサー清掃キットなど
・テープ類:養生テープ(機体や地面へのマーキング)、パーマセルテープ(ケーブル固定など)
・マジック、油性ペン:メディアへの書き込み、マーキング用
・筆記用具、メモ帳、撮影ログ用紙:飛行記録や特記事項の記録用
・椅子、折りたたみテーブルなど(必要に応じて)
・レインカバー、タオルなど(天候対策)
・簡単な救急セット:万が一の怪我に備える
・通信手段:トランシーバー、インカムなど、地上班との連携用(特に広い場所や障害物がある場所)
・日焼け止め、虫よけスプレー、防寒着など(天候・ロケーションによる)
予備機材の用意と確認
機材トラブルは避けられない場合もあります。予備機材は撮影続行の生命線です。
・予備プロペラ: 破損しやすい部品のため、多めに準備
・予備ダンパー:ジンバルダンパーなど破損しやすい
機材の梱包と搬入方法の確認
現場への安全な運搬も準備のうちです。
安全かつ効率的な梱包方法の検討と実施
専用ハードケース、ソフトケースなどを活用し、衝撃から機材を保護。機材同士がぶつからないようにパット材などを適切に使用。
運搬用具の準備と確認
カート、マグライナー、背負子)、ハードケース(キャスター付き)など、現場の状況(エレベーターの有無、階段、未舗装路など)に合わせた運搬方法を検討し、必要な用具を準備。破損や不具合がないか確認。
現場への搬入経路、移動手段の確認
撮影場所の入口から撮影ポイントまでの距離、経路(階段、段差、狭い通路など)、車両の乗り入れ可否などを事前に確認し、最適な搬入方法を計画。
その他、確認しておきたいこと(安全・法令関連)
直接的な機材準備ではないですが、安全な飛行のために確認すべき重要な事項です。
・飛行許可・承認の確認:許可承認書の有効期限の確認
・飛行計画の通報:飛行エリア、高度、時間、緊急時の対応策などを関係者と共有
・飛行日誌:飛行日誌の携行と確認
・保険の確認:有効期限が切れていないか証書を確認
・当日の天候予測の確認:風速、雨、霧などの気象条件が安全基準を満たしているか。予報が悪化した場合の代替案も検討。
おわりに:万全な準備が最高のパフォーマンスを引き出す
これらの準備を徹底することで、現場でのトラブルを最小限に抑え、撮影そのものに集中できる環境が整います。