PROパイロット技能認定完全攻略

2025年2月22日 ドローン全般 撮影技術

PROパイロット技能認定会をご存知でしょうか?
日産の自動運転システム「プロパイロット」ではありません。
国内最難関とされるドローンの技能認定です。挑戦した人しか分からないドローンの難しさや、合格するためのメソッドをTRICO.の2人が「試験に挑戦しよう!!」「合格者に仕事を依頼したい!!」「ドローン操縦技術の大切さがわかった」と思えるように徹底解説していきたいと思います。

PROパイロット技能認定会とは?

ドローンの販売や産業向けソリューションを展開するSkyLink Japanと、ドローン空撮のスペシャリストRave Projectが共同で開催する、国内最難関のドローン操縦技能認定会です。合格率3%という極めて狭き門を突破した者のみが、プロフェッショナルとして認定されます。

PROパイロット技能認定会の特徴

  • 卓越した技能水準:GPSに依存しない目視での操縦技量が求められます。
  • 極めて低い合格率:合格率はわずか3%。高い操縦技量を持つトップパイロットのみが認定されます。
  • 実践的な試験内容:実際の業務で必要とされる実践的な操縦技能が評価されます。

PROパイロット技能認定会の目的

  • ドローン業界の発展:高い技能を持つパイロットを育成し、ドローン業界の発展に貢献することを目指しています。
  • 安全なドローン飛行の実現:安全なドローン飛行を推進し、事故の減少に貢献することを目指しています。
  • ドローンパイロットの地位向上:高い技能を持つドローンパイロットの社会的地位向上を目指しています。

PROパイロット技能認定会の開催概要

  • 参加資格:10時間以上のマルチコプター操縦経験を有すること
  • 開催場所:全国各地。現在は主に11月に旭川開催が中心です。
         2025年時点で27回開催されています。
  • 参加費用:初参加33,000円
         リピート22,000円
         シード権保持者は無料

合格者数

 37名(2025/2月現在)
 合格率は3〜4%台

27回の開催実績から約600名が受験したと推測されます。
近々の2年間は新規合格者がでていないので公式発表(7%)から更に合格率が低下していると予想されます

PROパイロット技能認定会に関する情報

PROパイロット技能認定会の様子

今、PROパイロット試験に挑戦すべき理由

①操縦技量の重要性を再認識

ドローンは誰でも飛ばせると思われがちですが、安全な運用を実現するためには高度な操縦技術は不可欠です。練習をし続けるとどんどんドローンの面白さに気づくはずです。

②国家資格取得後の新たな目標設定

一等無人航空機操縦士合格後に目指す上位資格があってもいいのではないか。更なる高みを目指す方の新たな指針となります。

③国家資格との差別化

1等及び2等無人航空機操縦士はあくまで最低限の知識と技量を確認する自動車普通免許のようなものになります。資格をもっていても他者と技量を比較する基準がありません。高い技量を保有して優位にたちましょう。

TRICO.のPROパイロット受験経歴

代表 石山裕太

合格No:37
検定使用ドローン:DJI Inspire2
操縦モード:モード2
受験数:5回

2017/5/14 佐賀
2018/12/8 箱根(合格者0人)
2019/3/17 熊本
2022/6/5 旭川(シード獲得)
2022/10/9 旭川(合格)


副代表 佐野いくみ

合格No:22
検定使用ドローン:DJI Phantom4pro
操縦モード:モード2
受験数:3回

2018/5/1 札幌(シード獲得)
2018/9/16 旭川(合格者0人、シード獲得)
2018/10/3 霞ヶ関(合格)

副代表(妻です)の方がPROパイロット技能認定に合格しているのが早いので先輩になります。女性で合格しているのは2名だけなのですごい妻です。ゴイゴイスーー

受験のきっかけは”腕試し”でした。
初回受験では実力の差をまざまざと肌で感じ自身の未熟さを痛感しました。
3年間受けずにいましたが、国家資格新設を機に差別化のために取得へ向けて再挑戦を決意しました。10年間のドローンキャリアの中で、2017年に認定会へ挑戦したことは明確な転換点となっています。

認定会へ挑戦してほしい人

ドローンを本気でやりたい人

操縦技術を極めたい人

ドローンスクールのインストラクター

ドローン空撮会社のオペレーター

ドローン点検会社のオペレーター

測量会社のオペレーター

ドローンの仲間が欲しい方

自身の操縦技術に自信を持っている方

国家資格取得後のキャリアに悩む方

ドローンで生計を立てたい方

ドローンを教える側の立場の人には最低限備わっていてほしい技量だと思っております。教わる側も口だけのヘタクソには教わりたくないはずです。スクール受講生の方はインストラクターにPROパイロットの本選項目の実演をお願いしてみましょう。まともにできればスクールの選び方は間違っていないと思います。

日常的にドローンを運用している企業に属されているオペレーターの方も安全性を向上させるために参加してほしいです。
ドローンを始めたが食べていけていないフリーのオペレーターの方も本気でやれば人生が変わると思います。

実際に私達夫婦もPROパイロット技能認定による恩恵は多々ありますし、仲間のパイロットもきっかけを掴んで仕事が軌道に乗っている人ばかりです。

ぜひ一度、PROパイロット技能認定会に足を運んでみてください。実際に試験に挑戦することで、ドローンの奥深さと、自身の操縦技量の現状を把握できるはずです。また、ドローンベンチャーの経営者、測量会社、建設コンサルタント、外壁点検会社、空撮会社、ドローンスクールのインストラクターの方々には、見学だけでも参加されることを強くお勧めします。自社のオペレーターの操縦技量を見直す、またとない機会となるでしょう。もちろん、ドローンオペレーターに求められるのは操縦技量だけではありませんが、PROパイロット技能認定会は、オペレーターの質を測る上で、非常に重要な指標となることは間違いありません。

技能認定の講師・ジャッジについて

請川 博一 氏

RAVE PROJECT代表。日本のドローン業界の第一人者です。2016年に「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演されてドローンパイロットの立場を確立されたすごい方です。

井上 繁和 氏

WorldLink Protech代表。産業用無人ヘリコプターを活用した農薬散布などを手掛けるベテランオペレーターです。VTOL機の扱いにも長けていて配送ドローン業界でも活躍されています。

磯 匡敏 氏

株式会社エナジーパワー代表。F3Cラジオコントロールヘリコプター世界3位の世界トップクラスのフライヤーです。

ラジコンヘリ・ドローン業界で有名な方がジャッジします。開催回によってジャッジが2人 or 3人で変動します。
ジャッジが自ら実施する模範演技は必見の価値ありです。

採点基準

予選・本選ともに全3演目中、「優」3つ、または「優」が2つと「良」1つで合格です。
予選に合格しなければ本選には進むことができません。

認定会終了後の当日のみ詳細なチェックシート確認とジャッジから直接アドバイスを受けることが可能です。

使用機体

DJI製
・Phantomシリーズ
・Inspireシリーズ
・Matriceシリーズ(要確認)


条件
・ATTIモード(GPS OFF)
・ビジョンセンサーOFF
・障害物センサーOFF
・操縦モードは自由

上記の設定ができる機体であればDJI製以外でも参加可能。主催に個々で確認してみてください。

主催者側で機体のレンタルも実施しています。
参加者同士での機体の共有も問題ないです。

Phantom系で参加される方が圧倒的に多いです。Inspire系で参加される方は1割程度です。どちらの機体がやりやすいかは慣れの問題なのでどちらでもいいと思います。Inspireはクセがあるから〜という人もいますが慣れです。クセがあるならクセを理解して操縦すればいいだけです。

認定会当日のスケジュール

1.開場・受付
2.デモ演技・演目発表
3.予選
4.予選通過者発表
5.昼休憩
6.本選
7.合格者発表

参加人数によりますが練習する時間はないことがほとんどです。
近々の参加者数は20人〜30人ぐらいです。

受付が終了したら機体を準備して飛ばせる準備をしましょう。
センサーの状態などはマストで確認して問題があれば会場の外でキャリブレーションしてもいいと思います。会場の確認やコース確認も忘れずに実施してください。

デモ演技・演目発表

予選と本選の各3種目の実演があります。
動画でおさえておいて待機中に見返せるようにしましょう。
撮影するポジション大事です!
当日発表演目で不明点などがあれば質問することもできます。「質問してくる人はだいたい不合格になります」という笑えない冗談が請川さんから飛んだりしますが気にせずいきましょう。平常運転です。

予選開始

試験の順番は当日会場に張り出されるエントリーリストの順番になります。参加者が多いと予選は2コースに分けられます。自分の番号と前後の人を確認しておきましょう。
順番が早い人は予選でバタバタすると思います。機体の事前準備が大事です。

体育館のコート内には3人程度がスタンバイで入ります。演目終了後に1人ずつ入れ替わる必要があるので自分の順番をよく確認しておきましょう。コートに入ると機体設定のチェックが実施されるのでビジョンセンサーなどはあらかじめOFFにしていきましょう。

予選通過者発表

お昼休憩前に発表があります。
昼休憩中はコートにも自由に入れるのでバーチカル系(縦方向)の演目に備えて天井の特徴点や距離感を把握しておくといいでしょう。

本選開始

本選の順番は番号の若い順です。エントリー表を確認して自分が何番目か確認しておきましょう。そもそも本選に進める人が少ないのですぐ分かると思います。

演目規定

各パイロットはコーラーと呼ばれるサポート要員をつけることが可能です。
コーラーの役割:ジャッジへの演目の伝達
        タイムキーパー
        演目のアドバイス
コーラーは付けても付けなくてもどちらでも大丈夫です。普段から練習している仲間と出場する場合は本番を想定して、お互いに練習しておきましょう。知り合いがいない場合は会場で常連の方へお願いするといいでしょう。(運営に確認すれば教えてくれます)その際はどんな事を伝達してほしいのか希望を伝えて演技に集中できる環境を自分で作りましょう。

各演目の規定時間1分30秒以内
1秒でもOVERした場合は失格です。短すぎても減点対象。
コーラーの主な役割はタイムキーパーです。オーバーさせないようにアドバイスをしてあげてください。
スピード感の目安は動画を参照。

ただし、本選最終種目のみ演目時間が撤廃される場合もあります。
当日に確認してください。

skylinkさんの募集要項ページに記載されている”技能試験規定”のPDFは更新されていない為内容が全然違います。とりあえず目を通す程度にしておきましょう。
2024年の募集ページ https://skylinkjapan.com/event/pilot-seminar/27-pro-pilot/

予選演目

まずは下記の動画をご覧ください。

予選項目は毎回固定されています。

演目1:4ポイントピルエット
演目2:ホリゾンタルエイト
演目3:前進対面

基本的な操作で誰もがやったことがあるであろう基礎の基礎がつまっています。簡単なようですが奥が深い演目なので舐めてかかると予選落ちします。私もその1人でした。

認定会独特の空気や参加者に注目されているという緊張が演技にでてしまうこともあるでしょう。
私はPROパイロット認定会以上の緊張を、世界遺産で飛行させる時も大型機を運用する時も経験したことはありません。ちなみに私は緊張しても膝がガクガクしたり指が震えることはないタイプです。その代わりにお腹をくだします。

なのでこれから現場でバリバリやっていきたいという人は最上級の緊張感をPROパイロットで味わっておいてください。CM撮影現場で監督・撮影部に囲まれようが、スタジアムで4万人に注目されようが原子力発電所で飛行させようが何とも思わなくなります。

演目の流れ

1.コース上に機体セッティング
 ヘリパッドの中心に機体をセット、まっすぐに置くこと
2.受験番号、氏名、モードをジャッジに伝える
3.コーラーが演目をジャッジに伝える
4.周囲の安全確認
 大きな声でしっかりと前方・後方・左右・上空を指差し確認
5.離陸
 深呼吸をしてから自分のペースで。タイム計測は浮いた瞬間から
6.着陸
 中心にまっすぐおろす。
上記3~6を3種目繰り返す
7.挨拶して退場
※(本選も同様)

着陸した際にヘリパッドの中心からずれてしまったら離陸前に置き方を修正しても問題ありません。

予選で1位もしくは2位通過ぐらいまでが本選合格の指標になると思います。

本選演目

下記の動画をご覧ください。

本選演目は2種類が固定されていて、最後の演目のみ当日発表です。

演目1:ホリゾンタルエイトwith1440°ピルエット
演目2:カップ
演目3:当日発表

動画の第23回の当日発表演目はPP03という初登場演目となっています。
動画を見ていただくと分かる通り、本選演目から難易度が急上昇します。演目3に関してはぶっつけ本番で応用力が求められます。

当日発表の演目次第では多少の難易度の違いが出てきます。人それぞれ得意不得意あると思いますが、当日発表演目が自分の得意な操作の場合はラッキーだと思いましょう。ちなみに動画のPP03は個人的にはラッキーな部類に入ります。演目難易度が比較的低い場合はより精度が求められるので総合的な難易度は変わりありません。

ごく稀に演目が2種目入れ替わる時があります。私が合格した回が該当します。それ以外の時に2種目変更があったのは聞いたことがなかったので当日とてもびっくりしました。

本選演目で合格するにはあと一歩及ばない惜しい人には”シード権”が与えられます。シード権を獲得すると次回の参加費が無料となり、予選が免除されます。
本選はラストに飛行させることになり、参加者の注目のまとになります。その為、重圧に耐えられずにシード権取得した回では合格できないというジンクスもあったりして不合格になる人がたくさんいます。私と妻はシード権獲得から合格したので重圧に打ち勝って参加費が浮きました✨

予選通過しました!本選いきました!シード権取りました!って方と合格者では雲泥のレベル差があるので発注者は騙されないようにしてください。

認定会での過ごし方

予選の順番が早い時は覚悟を決めてください。「みんなの指標になってやる」ぐらいの気概で望んでください。
順番が遅い人は、結構時間があって1時間以上待つ場合もあります。どちらがいいのかはその人次第ですね。私は遅い順番が好きです。

待機中は他の人の演目を見ているか、参加者と雑談している人が多いです。ぼっち参加の方は順番が近い人を方を見つけて雑談などしておくと緊張が解けると思います!

お昼休みは昼寝をしてリフレッシュするのもいいかもしれません。合格した数名から昼寝が良かったと聞きます。

個人的な過ごし方はずーっとイメトレしていました。プロポを握ってスティック操作をくりかえして指慣らしをしておきます。他の受験者の演技は雑念が入るので極力見ないようにします。
そして入念にトイレに行っておきます。(お腹弱い)

順番がきたら自分を信じて力をだしきるのみ!!

合格後

skylinkより認定証が発行されます。額に入っているこんな感じのやつです↓

PROパイロット技能認定
無人航空機操縦士

skylinkのHPにPROパイロット一覧として掲載されます。
https://skylinkjapan.com/pro-pilot/

PROパイロット技能認定
無人航空機操縦士

練習について

長くなってしまったので別記事でアップします。
動画にまとめるために絶賛準備中です。

この記事内でお伝えしておきたいことは、短期集中であきらめずにやり続ける!です。
合格までとにかく突っ走るのが最短の道のりです。
私のように受験間隔があいてしまうと結果的に回数を重ねることになり参加費と遠征費がもったいないです。

十数回受け続けている人は遠征費だけでいくらかかっているのでしょう??怖くて聞けないです。

ダルビッシュ有の名言をここでひとつ。
「努力は裏切らないというけど、頭使ってやらないと、努力は裏切るよ」

はい!これにつきます。これを意識していないといつまでたっても合格できずに受け続けることになるでしょう。
1回目で受かるのは稀、全体平均しても合格までに4~5回を要している人が多いと思います。

予選通過を目標にするのではなく本選合格の先を意識して練習することが大事です。

合格して得られるもの

操縦技量の向上

・高度な操縦技術が身につく
・緊急時の対応能力の向上
・安全管理能力の向上
・指導技術の向上

第三者からの評価

・高い操縦技術の証明
・業界からの信頼獲得
・仕事の依頼が増える

キャリアアップ

・高難度のドローン業務へのアサイン
・テストパイロットなどの活躍の現場増加

人脈形成

・同じ志を持つ仲間との出会い
・業界の第一人者との交流
・仕事の協業

自己成長

・目標達成による自信
・技量習得のステップアップ方法
・課題克服能力の向上
・国家資格(無人航空機操縦士)との差別化

ここまでの技量を習得すると見ている世界が明らかに変わります。テストパイロットや運航ディレクターとして、もってこいの人材になることが可能です。

まとめ

PROパイロット技能認定会について解説しました。

このブログの読者がPROパイロット技能認定会に興味を持ち、挑戦するきっかけになれば幸いです。

また、映像制作会社や建設コンサルタントの発注者側がドローンオペレーターの”質”を考え直すきっかけになると嬉しいです。

検定会に向けて対策練習会を定期開催したいと思います。練習方法がわからない方、本選項目を生で見てみたい方は練習に参加いただければ指導させていただきます。

質問があればDMで対応させていただきますのでお気軽にどうぞ!

noteでも記事投稿しています。https://note.com/embed/notes/n93100bcfbfe4


PROパイロット技能認定 無人航空機操縦士