ALTA X運用方法大公開!

2025年4月1日 VR・360 撮影技術

映像制作や測量案件などジャンル問わず幅広く使われているフリーフライシステムズ(Freefly systems)ALTA Xの運用方法を大公開!日本国内ではTRICO.のみが運用しているALTA XのFPV運用も大公開します。

ALTA Xとは?

ALTAX(アルタエックス)は、アメリカのFreefly Systems社が開発した、プロフェッショナル向けの高性能ドローンです。その最大の特徴は、圧倒的なペイロード能力と安定性。大型のカメラやジンバルを搭載しても、安定した飛行を実現し、高品質な空撮映像を撮影できます。

VR撮影

ALTAXの主なスペック

最大ペイロード: 最大15kg

飛行時間: 最大40分(バッテリー、ペイロードにより変動)

最大速度: 65km/h

耐風性能: 最大15m/s

ジンバル互換性: Freefly MōVIシリーズ、DJI Roninシリーズなど

ALTAXの活用事例:国内での実績

ALTAXは、その高い性能から、映画、CM、測量など、様々な映像制作現場や産業現場で活用されています。国内ではクリエィティブ案件への活用よりも産業系で使用されていることが多いと感じます。

映画・CM撮影:大型シネマカメラを搭載し、迫力のある空撮シーンを撮影

テレビ中継:東京オリンピックの中継用ドローンとしても活躍

VRコンテンツ:360度カメラを搭載し、没入感の高いVR映像を撮影

・測量:LiDARセンサーを搭載して地形測量等に活用

・研究開発:大気測定や風況計測など様々な研究に使用

・運搬:ペイロードを生かして資材運搬などに使用苗木や鉄塔資材等

弊社の活用事例1:VRドローン

Panasonic映像株式会社様案件

弊社の活用事例2:実証実験

中電技術コンサルタント様案件

ALTAX運用におけるDJI製品との違い

ALTAXは、DJI製品とは異なる運用方法を採用しており、特にテレメトリーの受信による運用方法に重要な違いがあります。

テレメトリー受信のためのPCが必要

DJI製品の場合、テレメトリーデータ(機体の位置、高度、バッテリー残量などの情報)は、送信機やアプリ(DJI GO4,DJI Pilot2,DJI Fly等)で直接受信できます。しかし、ALTAXでは、テレメトリーデータを受信するために、地上にPCを設置する必要があります。

ALTAXは、より高度な飛行制御やデータ解析を可能にするために、オープンソースのフライトコントローラーPX4を使用しています。このフライトコントローラーは、テレメトリーデータをPCに送信し、専用のソフトウェアで表示・解析する必要があります。

運用方法:地上に設置したPCに、ALTAXから送信されるテレメトリーデータを受信するソフトウェアQGCをインストールします。これにより、飛行中のALTAXの情報をリアルタイムで確認できます。

QGC(QGroundControl)での運用

DJI製品は、専用のスマートフォンアプリで飛行制御や設定を行いますが、ALTAXは、主にQGC(QGroundControl)というオープンソースの地上管制ステーション(GCS)を使用して運用します。

QGCとは:QGC(QGroundControl)は、オープンソースのフライトコントローラーを搭載したドローンの飛行制御、設定、ミッションプランニングなどを行うためのソフトウェアです。FreeflyがALTAX用にカスタマイズしたものをインストールします。

QGC運用における注意点

・オープンソースのフライトコントローラーに関する知識も必要となります

・テレメトリー受信した情報(バッテリー残量,距離,高度,速度等)をオペレーターに伝える必要があります

・QGCは、多機能である反面、操作が複雑な場合があります

テレメトリーPC(右)とモニター(左)

操縦系統の違い

ALTAXには純正で付属してくる専用のプロポは存在しません。(2025,3月現在)ユーザーは使用する国ごとに最適な送信機を選択する必要があります。

FUTABA製送信機

・ALTAXの操縦には、信頼性の高いFUTABA製の送信機が使用されることが多いです。FUTABAの送信機は、正確な操作性と安定した通信性能で、プロの現場でも広く採用されています。
弊社が採用しているのはT18SZになります。

周波数帯:2.4GHz
伝送距離:〜1.5km


伝送距離もDJIと比較すると同じ2.4GHz帯を使用していますが運用できる距離に制限がかかります。

FPVカメラの違い

ALTAXには国内で使用できるVTX搭載したカメラが純正では付属してきません。操縦系統と同じくユーザーは使用する国ごとに最適なFPVカメラを選択する必要があります。

DJI FPV Air Unit

DJI FPV Air Unitは、日本国内でデジタル開局が可能な数少ないFPVシステムの一つです。大型機を運用する上で必要な要素は低遅延な高画質映像伝送は不可欠です。

・5.8GHz帯の電波を使用

・日本国内での使用には無線局開局申請が必要(カメラ,ゴーグル共に)

・業務用には三級陸上特殊無線技士以上の免許が必要

Air Unitと併せてFPVゴーグルを使用して操縦しています。大きなFPVドローンのような運用方法です。ALTAXをFPVゴーグルで運用しているのは日本ではTRICO.独自の運用方法です。

DJI FPV Air Unit模擬取付

ALTAX運用における役割分担と運用方法

ALTAXの運用は安全かつ効率的な飛行を実現するために、綿密な役割分担が不可欠です。特に、オペレーターはFPVゴーグルを装着し、テレメトリー情報を直接確認できない状況下で機体を操縦するため、運航管理者と安全監視員との連携が極めて重要となります。

オペレーター

・ALTAXの操縦を担当します

・離発着時の安全確認と操縦を行います

・飛行中は、FPVゴーグルを通して映像を確認しながら、機体を操縦します

・運航管理者からの指示に従い、機体を安全に飛行させます

運航管理者

・飛行中のALTAXの状況をQGCで確認し、オペレーターに指示を出します

・安全監視員からの情報と合わせて、飛行の安全性を確保します

・緊急時には、適切な対応も指示します

安全監視員

・飛行中のALTAXと周辺の安全を確認します

・周辺の状況変化(人、車両、障害物など)を監視し、運航管理者に報告します

・緊急時には、運航管理者と連携して対応します

運航中の様子

FPVゴーグル運用でのメリット

直感的な操縦

・より直感的に機体を操作でき、複雑な飛行や繊細なルート設定も容易になります

・特に、狭い場所や障害物の多い場所での飛行において、そのメリットは顕著です

・ゴーグル映像はジンバル搭載されていないので揺れを意識した酔わない映像撮影が可能

安全性の向上

・オペレーターは映像に集中できるので、モニターをみるよりも安全に操縦できます

・FPVゴーグルを通して、機体の周囲の状況をリアルタイムで確認できるため、障害物や危険を早期に発見できます

・特に、複雑な地形や構造物の中での飛行において、安全性を高めることができます

・さらに上空の風を直感的に判断できます。ジンバルが付いていないので機体の動揺がそのまま映像に現れます

・伝送品質が安定している。モニターで運用するとFPVゴーグルからモニターOUTするため接続が不安定になります

FPVゴーグルを活かした撮影事例

ゴーグル運用でないと実現できなかった撮影事例をご覧ください。
1:29~嵐山のトロッコ列車並走カット
2:18~寒霞渓のロープウェイ並走カット
2:31~寒霞渓の岩のすり抜けカット
※画質は4Kに設定して高画質でお楽しみください!

Panasonic映像株式会社様案件

まとめ

Freefly Systems社の高性能ドローンALTAXは、その圧倒的なペイロード能力と安定性から、映像制作や測量など、多岐にわたる分野で活躍しています。しかし、その運用方法はDJI製品とは大きく異なり、テレメトリー受信のためのPCやQGCでの運用など、専門的な知識と技術が求められます。

TRICO.は、これらの課題を克服し、ALTAXの性能を最大限に引き出すことで、革新的な運用に挑戦しています。