小型無人機等飛行禁止法とは|ドローン撮影の対象施設・通報手続き・2026年改正の影響

投稿:2026年7月2日|更新:2026年10月19日著者:石山裕太 TRICO.代表取締役

航空法

小型無人機等飛行禁止法とは|ドローン撮影の対象施設・通報手続き・2026年改正の影響

改正で「業務で飛ばせない場所」はどう変わったか

2026年(令和8年)7月14日、改正小型無人機等飛行禁止法が施行され、重要施設の周囲で飛行が禁止される範囲(イエローゾーン)が「おおむね300m」から「おおむね1,000m」に広がりました。あわせて、これまで直接の罰則がなかったイエローゾーンでの飛行にも、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されるようになっています。

都心のオフィス街でのCM撮影、分譲マンション予定地での眺望撮影、工事現場の進捗記録。業務でドローンを飛ばす場所が、改正後はこの法律の対象エリアに入るケースが増えています。対象エリアで飛ばすには、施設管理者または土地所有者等の同意を得たうえで、飛行開始の48時間前までに管轄警察署を経由して都道府県公安委員会へ通報しなければなりません。航空法の許可・承認とは別の手続きです。

この記事では、法律の基本と改正点、対象エリアで飛ばすための手続きを整理したうえで、映像制作・不動産・工事の3つの業務でこの法律がどう関わるかを、TRICO.の通報実務をもとに解説します。

小型無人機等飛行禁止法とは|航空法との違い

正式名称は「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」です。国会議事堂や首相官邸、皇居、大使館、自衛隊施設、空港、原子力事業所といった重要施設に対する危険を未然に防ぐために、施設とその周辺の上空での飛行を原則として禁じています。

業務でドローンを飛ばすときには、航空法とこの法律の両方を確認する必要があります。2つの法律は目的も手続きも異なります。

項目航空法小型無人機等飛行禁止法
所管国土交通省警察(施設によって防衛省・国土交通省なども関わる)
目的航空機の安全、地上の人や物件の安全重要施設に対する危険の防止
対象の機体100g以上の無人航空機重さを問わずすべてのドローン(ラジコン機や気球・パラグライダー等も含む)
規制の考え方空域(DID・空港周辺・150m以上など)と飛行方法(夜間・目視外など)指定された施設とその周辺という「場所」
必要な手続き国土交通大臣の許可・承認施設管理者または土地所有者等の同意+都道府県公安委員会等への通報

ポイントは2つです。1つは、100g未満の小型機でも対象になることです。航空法の規制がかからない機体でも、場所が対象エリアなら同意と通報が必要です。

もう1つは、どちらか一方の手続きで他方が不要になることはない点です。航空法の包括申請を持っていても、この法律の手続きは別途必要です。反対に、こちらの通報を済ませても、DID上空や夜間飛行など航空法の特定飛行に当たれば国土交通大臣の許可・承認が要ります。警察庁も、危機管理行政機関の庁舎周辺の対象エリアはすべてDIDに該当するため、同意に加えて原則として国土交通大臣の許可が必要だと案内しています。

航空法の許可・承認の取り方と、発注前に確認したいことは、こちらで整理しています。 CM・映画・広告のドローン撮影で必要な許可申請|発注前に確認すること

対象施設とレッドゾーン・イエローゾーン

飛行が禁止されるのは、次の2つのエリアの上空です。

  • レッドゾーン:対象施設の敷地・区域の上空
  • イエローゾーン:レッドゾーンの周囲おおむね1,000mの上空

具体的な範囲は、国土地理院の「地理院地図」で確認できます。同じ地図上に人口集中地区や空港周辺の空域も重ねて表示できるため、飛行予定地を最初に確認する手段として使いやすいツールです。

恒常的に指定されている施設

対象施設の区分主な施設業務で関わりやすい場面
国の重要な施設等国会議事堂、首相官邸、最高裁判所、皇居、危機管理行政機関の庁舎、対象政党事務所千代田区・港区周辺でのCM撮影、オフィスビルや分譲マンションの空撮、都心の工事現場の記録
対象外国公館等アメリカ合衆国大使館、イスラエル国大使館、中華人民共和国大使館(2026年7月時点で恒常的に指定されている3館)各大使館の周辺(港区・千代田区)でのロケ、物件撮影、工事の記録
対象防衛関係施設自衛隊施設、在日米軍施設基地に近い郊外・海沿いでのロケ、住宅地の物件撮影、造成や建設の記録
対象空港新千歳・成田・羽田・中部・伊丹・関西・福岡・那覇の8空港湾岸エリアのロケ、空港近隣の物流施設やホテルの撮影
対象原子力事業所原子力発電所など海岸線の景観撮影

都心部は対象施設が集中しているため、イエローゾーンが1,000mに広がったことで、複数の施設の周辺地域が重なる範囲も広がっています。

詳細は警察庁HP

大使館はすべてが対象施設ではない

「大使館の周辺は飛行禁止」とひとくくりにされることがありますが、対象外国公館等として恒常的に指定されている大使館は一部に限られます。外務省の公表(2026年7月時点)では、恒常的に指定されている大使館はアメリカ合衆国大使館、イスラエル国大使館、中華人民共和国大使館の3館です。それ以外の大使館は、この法律の対象施設として常に指定されているわけではありません。

ただし、指定されていない大使館の近くなら手続きが要らない、とは限りません。都心部では、国会議事堂や首相官邸、省庁の庁舎、政党事務所などのイエローゾーンが広く重なっており、大使館とは関係なく対象エリアに入っていることがあります。また、外国要人の来日時には、大使館以外のホテルや会談会場も期間を区切って指定されます(次項)。大使館の有無ではなく、地理院地図と外務省・警察庁の告示で、撮影日時点の指定を確認することが必要です。

期間を定めて臨時に指定される施設

恒常的な指定とは別に、期間を定めて指定される施設もあります。外国の首脳など要人が来日する際には、宿泊先のホテルや会談会場、訪問先が外務大臣によって指定されます。2025年10月の米国大統領来日時には迎賓館とホテルオークラ東京が、2026年1月の韓国大統領来日時には奈良市内のホテルと法隆寺が指定されました。

さらに令和8年改正で、「対象特別要人所在施設」(天皇・内閣総理大臣が所在する施設)と「国際会議の準備・運営のための会議場施設等」が加わりました。2026年10月にも、ホテルや競技場、公園施設などが1日から数日単位の期間で指定されています。

指定は警察庁や外務省のウェブサイトで告示されますが、飛行予定日の直前に決まることもあります。下見の時点で対象外だった場所が、撮影当日だけ対象エリアになる可能性があるということです。TRICO.では、撮影日が近づいた段階で臨時指定の有無をあらためて確認しています。

地理院地図はこちら

2026年7月改正で変わったこと

項目改正前改正後(2026年7月14日〜)
イエローゾーンの範囲周囲おおむね300m周囲おおむね1,000m
イエローゾーンでの飛行直接の罰則なし(警察官等の命令に違反した場合は罰則あり)6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
レッドゾーンでの飛行1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金変更なし
対象施設国の重要な施設等、外国公館等、防衛関係施設、空港、原子力事業所対象特別要人所在施設、国際会議の会議場施設等が加わった

業務への影響として大きいのは、次の3点です。

以前は対象外だった場所が対象に入る 施設から300〜1,000mの範囲にある場所は、改正前は手続きが不要でも、改正後は同意と通報が必要になりました。改正前から続いている工事の定期撮影や、シリーズで同じ場所を使う撮影も、前回までの段取りをそのまま使わず、改正後の範囲であらためて確認する必要があります。

都心では複数の施設の周辺地域が重なる 施設管理者の同意で飛ばす場合は、周辺地域が重なる施設それぞれの同意が必要です。危機管理行政機関の庁舎については、警察庁に一括で申し出られるワンストップ窓口(原則として飛行開始の10営業日前までにメールで提出)があります。ただし、国会議事堂や首相官邸、皇居、政党事務所、外国公館、防衛関係施設などと重なる部分は、それぞれの管理者の同意が別途必要です。

イエローゾーンでも、飛ばした時点で処罰の対象になる 改正前のイエローゾーンでは、飛行そのものに直接の罰則はなく、警察官等の退去命令などに従わなかった場合に罰則が科される仕組みでした。改正後は、同意と通報を経ずにイエローゾーンを飛行した時点で処罰の対象になります。業務で飛ばす場所が対象エリアかどうかを、計画の段階で確認しておくことがこれまで以上に重要です。

対象エリアで飛ばすための条件と手続き

飛行禁止の例外となる3つのケース

対象エリアでの飛行は原則禁止ですが、次のいずれかに当たる場合は禁止の規定が適用されません。

  1. 対象施設の管理者、またはその同意を得た者が行う飛行
  2. 土地の所有者・占有者(正当な権原を有する者)、またはその同意を得た者が、その土地の上空で行う飛行
  3. 国または地方公共団体の業務を実施するために行う飛行

ただし、対象防衛関係施設と対象空港のレッドゾーンでは、1の施設管理者の同意によるケースだけが例外として認められます。

民間の業務で飛ばす場合は1か2のいずれかになり、撮影場所の権利者から同意を得る2のルートで進めるケースが多くなります。

土地所有者等の同意は「その土地の上空」にしか及ばない

2のルートで注意したいのは、同意の効力がその土地の上空に限られることです。業務ごとに、同意で足りるケースと足りないケースの例を挙げます。

業務同意した土地の上空で完結する例他の土地の上空にかかる例
映像制作ロケ地のビルの屋上から離陸し、ビルの真上で上昇しながら周囲の街並みを見せるカットビル街を横切る移動ショット、走行する車両を追いかけるカット
不動産分譲マンション予定地の真上で、予定階の高さから眺望を撮影する物件と最寄り駅・周辺環境をつなぐ移動映像、敷地の外側から建物全体を見せるアングル
工事・建設現場敷地の上空からの真俯瞰や定点撮影道路を挟んだ位置から現場の全景を撮る、隣地側から外観を見せる

他の土地の上空にかかる場合は、通過する土地それぞれの権利者の同意か、対象施設の管理者の同意が必要になります。つまり、必要な同意の範囲は「どの位置・高度・軌道で撮るか」で決まります。依頼の段階で撮りたいカットやアングルのイメージを共有していただければ、TRICO.で軌道を具体化し、その軌道が誰の土地の上空を通るかを洗い出して、同意を取る先を絞り込みます。

通報は飛行開始の48時間前までに

同意を得たら、飛行開始の48時間前までに、対象エリアを管轄する警察署を経由して都道府県公安委員会へ通報します。警察署の窓口のほか、e-Gov電子申請でも提出できます。通報書には飛行区域を示す地図、同意を証明する書面の写し、機体の写真(航空法の登録記号が表示されている機体は不要)を添付します。

飛行場所や施設の種類によっては、扱いが変わったり通報先が増えたりします。

ケース通報の扱い
皇居・赤坂御用地の周辺公安委員会に加え、皇宮警察本部長への通報(警察署経由)
海域を含むエリア(船上・海上からの撮影など)公安委員会に加え、管区海上保安本部長への通報
対象防衛関係施設・対象空港の周辺公安委員会に加え、施設管理者への通報
対象エリアが同じ都道府県内の複数の警察署にまたがるいずれか1つの警察署を通じて通報すればよい
対象エリアが複数の都道府県にまたがるすべての都道府県公安委員会への通報
臨時指定された対象特別要人所在施設の周辺e-Gov電子申請は使えず、警察署への直接提出またはメール

e-Govで通報した場合は、到達番号または受付番号を控えておき、飛行時に警察官から求められたら提示します。TRICO.では、受理を確認できる書面やデータを撮影当日に必ず携行しています。

48時間は法定期限|実際の段取りは同意取得から逆算する

通報そのものは48時間前までに出せば足りますが、その前提となる同意の取得には、相手先によってそれ以上の時間がかかります。撮影場所の権利者に社内決裁が必要な場合や、施設管理者への申し出が必要な場合(先のワンストップ窓口は原則10営業日前まで)は、通報の期限から逆算すると間に合いません。

TRICO.では、撮影場所の候補が出た時点で対象エリアに該当するかを確認し、該当する場合は同意の取得先と所要期間を見立てたうえで、通報は1週間〜10日前を目安に余裕をもって進めています。天候による順延に備えて予備日を含めた期間で同意と通報を行い、実際に飛ばす日が確定した時点で管轄警察署へ連絡します。

業務別|小型無人機等飛行禁止法はこう関わる

映像制作(CM・映画・ドラマ・企業VP・MV)

映像制作で影響が大きいのは、都心のロケです。千代田区・港区周辺のオフィス街や官公庁街は、国会議事堂・首相官邸・省庁の庁舎・恒常的に指定されている大使館などのイエローゾーンが重なり、改正後は広い範囲が対象エリアに含まれます。湾岸エリアの夜景や走行車両のカットでは空港の周辺地域に、海沿いの自然ロケでは基地や原子力事業所の周辺地域に入ることがあります。

映像制作ならではの注意点は、カットの軌道によって必要な同意の範囲が変わることです。ビルの屋上で完結するカットと、街を横切る移動ショットでは、同意を取る先の数がまったく違います。カット割やコンテは監督・代理店が決めるものですが、決まったカットをどの位置・高度・軌道で狙うかを具体化し、その軌道が上空を通る土地を洗い出すのはドローンチームの役割です。ロケ地の権利者との交渉窓口は制作部やロケーションコーディネーターが持っていることが多いため、撮影許可の交渉とあわせてドローン飛行の同意も取っていただけると、権利者とのやり取りが一度で済みます。同意に必要な飛行範囲の図や同意書面の文案はTRICO.が用意します。

撮影日がロケの都合で動きやすい点にも注意が必要です。天候による順延だけでなく、香盤の組み替えで撮影日が変わることもあるため、予備日を含めて同意と通報を行っておくと対応しやすくなります。

撮影当日の所轄警察署への周知や、道路使用許可との違いは、こちらで解説しています。 CM・映画撮影でのドローン飛行許可と警察・所轄への事前周知

不動産(眺望撮影・物件の空撮)

分譲マンションの販売で使う眺望撮影は、建物が建つ前の予定地で、予定している階の高さにドローンを上げて景色を撮影するものです。都心や湾岸の人気エリアほど、重要施設や空港の周辺地域に重なる可能性が高くなります。

眺望撮影は、予定地の真上で上昇して撮影する飛行が中心になるため、予定地の所有者(多くは事業主のデベロッパー)の同意で進められるケースが多い業務です。一方で、建物の外側から全体を見せるアングルや、物件と駅・周辺施設をつなぐ移動映像まで撮る場合は、予定地の外の上空を飛ぶことになり、その土地の権利者の同意か施設管理者の同意が必要になります。販売資料やウェブサイトに使うカットをあらかじめ決めておくと、手続きの範囲を早めに確定できます。

超高層物件で150m以上の高さから撮影する場合は、この法律とは別に、航空法の高高度飛行の手続きも必要です。販売スケジュールから逆算し、同意・通報・航空法の手続きをまとめて早めに進めておくことをおすすめします。

TRICO.の不動産眺望撮影のサービス内容は、こちらでご案内しています。 不動産眺望撮影|株式会社TRICO.

工事・建設(進捗記録・竣工写真)

工事の進捗記録は、着工から竣工まで定期的に同じ場所で飛ばすのが特徴です。現場が対象エリアにある場合は、一度きりではなく、撮影のたびに対象エリアで飛ばすことになります。改正前に着工し、これまで手続きなしで記録撮影をしてきた現場でも、イエローゾーンの拡大で対象に入っている場合があるため、改正後の範囲であらためて確認してください。

現場敷地の上空からの真俯瞰や定点撮影は、土地所有者等の同意で進められる飛行です。同意は施主(土地所有者)から得るのが確実で、工期全体を通した同意を書面でもらっておくと、毎回の手続きが通報だけで済みます。TRICO.では、通報に一定の期間を記載し、実際に飛ばす日が決まった時点で管轄警察署へ連絡する運用をとっています。長期間の定期撮影になる場合は、通報の期間の扱いを管轄警察署と事前に相談しておくと安心です。

竣工写真では、道路を挟んだ位置や隣地側から建物の外観を見せたいことが多く、敷地外の上空を飛ぶ場合はその土地の権利者の同意か施設管理者の同意が必要です。どのアングルで撮りたいかを、竣工時期より前に決めておくと手続きが間に合います。

撮影を依頼する前に共有してほしい情報

業種を問わず、撮影場所の候補が出た段階で次の情報を共有していただけると、TRICO.側で必要な手続きをすぐに洗い出せます。確定前の候補段階でもかまいません。

共有していただきたい情報TRICO.側で確認すること
撮影場所の住所・地図上の位置レッドゾーン/イエローゾーンへの該当、航空法上の空域(DID・空港周辺・150m以上など)
撮りたいカット・アングル(コンテ、販売資料のイメージ、記録の撮影ポイントなど)飛行の位置・高度・軌道と、その軌道が上空を通る土地の範囲
撮影場所の権利者と連絡窓口同意をどのルート(土地所有者等/施設管理者)で取るか
撮影日・予備日・時間帯(定期撮影の場合は頻度と期間)同意書面と通報書に記載する飛行日時・期間
船上・海上からの撮影の有無海上保安本部への通報の要否

通報書の作成・提出、施設管理者への申し出、飛行範囲の図や同意書面の文案の作成はTRICO.が担います。撮影場所の権利者からの同意は、権利者と関係を持っている依頼者側で取っていただくと手続きが早く進みますが、権利者との調整に不慣れな場合はTRICO.で相談に乗れます。

重要施設周辺でのTRICO.の撮影実務

TRICO.は東京都中央区に拠点を置き、対象施設が集中する都心部での撮影に数多く対応してきました。イエローゾーンでの公安委員会への通報実績が多数あるほか、宮内庁からの依頼を受けて皇居で飛行した実績もあります。

この法律が施行された当初は、警察署側にもドローンの通報を担当する署員が決まっておらず、航空法との関係から説明しながら通報を進めることもありました。現在はどの警察署にも担当者が配置され、通報の手続きは以前よりずっとスムーズになっています。一方で、改正によって対象エリアは大きく広がり、臨時指定も加わりました。撮影場所の確認から同意の取得、通報、撮影日の再確認までを撮影の準備に組み込める体制かどうかは、重要施設の近くで撮影するときにドローン撮影会社を選ぶ基準の一つになります。

ドローン撮影会社を比較するときの基準は、こちらで解説しています。 ドローン撮影会社の選び方|CM・映画・広告制作で比較すべき基準

よくある質問

Q. 100g未満の小型ドローンなら対象外ですか?
A. 対象です。この法律には機体の重量による区分がなく、100g未満の機体を含むすべてのドローンが規制の対象になります。航空法の規制対象外の機体でも、対象エリアで飛ばすには同意と通報が必要です。

Q. 大使館の近くは、どこでも飛行禁止エリアですか?
A. いいえ。恒常的に指定されている大使館は、2026年7月時点でアメリカ合衆国大使館、イスラエル国大使館、中華人民共和国大使館の3館です。ただし、都心部では他の対象施設のイエローゾーンに入っていることが多く、外国要人の来日時には大使館以外の施設も臨時に指定されます。地理院地図と外務省・警察庁の告示で、撮影日時点の指定を確認してください。

Q. 航空法の包括許可を持っていれば、この法律の手続きは不要ですか?
A. 不要にはなりません。航空法の許可・承認と、この法律の同意・通報は別の手続きで、対象エリアかつ航空法の特定飛行に当たる場合は両方が必要です。

Q. 自社の敷地や物件の上空なら、手続きなしで飛ばせますか?
A. 対象エリア内であれば、土地の所有者・占有者が自分の土地の上空で飛ばす場合も、飛行開始の48時間前までの通報は必要です。また、飛べるのはその土地の上空に限られ、敷地の外にはみ出す飛行には、その土地の権利者の同意か施設管理者の同意が別途必要です。対象防衛関係施設と対象空港のレッドゾーンでは、施設管理者の同意がなければ飛ばせません。

Q. 分譲マンションの予定地がイエローゾーンに入っています。眺望撮影はできますか?
A. 予定地の所有者の同意を得て通報すれば、予定地の上空での眺望撮影は可能です。予定地の外から外観や周辺環境を撮る場合は、その土地の権利者の同意か施設管理者の同意が別途必要になります。150m以上の高さでの撮影には、航空法の手続きも必要です。

Q. 工事現場の定期撮影は、毎回通報が必要ですか?
A. 対象エリア内で飛ばす以上、通報は必要です。TRICO.では、通報に一定の期間を記載し、実際に飛ばす日が決まった時点で管轄警察署へ連絡する運用をとっています。長期間にわたる場合の扱いは、管轄警察署と事前に相談しておくと確実です。

Q. 以前は手続きなしで飛ばせた場所です。改正後も不要ですか?
A. 改正前に対象外だった場所でも、2026年7月14日以降は対象エリアに入っている可能性があります。施設から300〜1,000mの範囲にある場所は特に、地理院地図などで改正後の範囲を確認してください。

Q. 下見の時点では対象外でしたが、撮影当日までに対象になることはありますか?
A. あります。要人が所在する施設や国際会議の会場などは、期間を定めて臨時に指定されることがあり、指定が撮影日の直前に告示される場合もあります。撮影日が近づいたら、警察庁などの告示をあらためて確認する必要があります。

Q. 同意取得や通報はTRICO.に任せられますか?
A. 通報書の作成・提出、施設管理者への申し出、飛行範囲の図や同意書面の文案の作成はTRICO.で対応します。撮影場所の権利者からの同意は、権利者と関係を持っている依頼者側で取っていただくと早く進みますが、調整に不慣れな場合はTRICO.で相談に乗れます。

まとめ

2026年7月の改正で、小型無人機等飛行禁止法のイエローゾーンは重要施設の周囲おおむね1,000mに広がり、イエローゾーンでの飛行にも直接の罰則が設けられました。都心のロケ、マンション予定地での眺望撮影、工事現場の記録など、業務でドローンを飛ばす場所が対象エリアに入る場面は確実に増えています。

対象エリアで飛ばすために必要なのは、施設管理者または土地所有者等の同意と、飛行開始48時間前までの通報です。土地所有者等の同意が及ぶのはその土地の上空だけで、必要な同意の範囲は撮りたいカットやアングルで決まります。同意の取得には法定期限以上の時間がかかることもあるため、撮影場所の候補が出た段階での確認が欠かせません。

住所と撮りたいカットのイメージを共有していただければ、対象エリアの確認から必要な手続きの洗い出しまでをTRICO.で行います。重要施設の近くでの撮影を検討している段階でも、お気軽にご相談ください。

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著者:石山裕太 TRICO.代表取締役

ドローンカメラマンとして業界歴10年以上。CM、VR、イベント、産業系とオールジャンルの撮影に携わる。 マイクロドローンから超大型機まで、繊細な飛行技術を有する案件が得意。ドローンVR作品は日本各地で上映中。

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