ドローン空撮会社の選び方をわかりやすく解説

投稿:2025年10月30日|更新:2025年10月30日著者:石山裕太 TRICO.代表取締役

ドローン全般

ドローンを使った空撮は、ヘリコプターやクレーンでは難しかった視点から、迫力ある映像や写真を撮影可能です。企業や商品のPR、自然や観光地の紹介、ミュージックビデオ、スポーツイベント、さらには結婚式などの記念撮影まで、さまざまな場面でその活用が広がっています。

ドローン空撮ならではの躍動感あふれる映像は、見る人に強い印象を与え、他との差別化を図る上で有効です。

しかし、高品質な空撮を実現するには、専門的な操縦スキルや適切な機材が必要です。また、安全かつ合法的に飛行させるためには、関連法規の知識や飛行許可申請といった手続きも欠かせません。

今回は、依頼先として選ぶべき会社のポイントをわかりやすく解説します。

どんな会社に依頼すれば安心?選ぶときのチェックポイント

どんな会社に依頼すれば安心?選ぶときのチェックポイント

数多くのドローン空撮会社の中から、信頼できるパートナーを見つけるには、以下のポイントを確認するのが有効です。

実績と専門性

撮影したいジャンルでの実績があるかどうかを確認することが重要です。

例えば、CM・VR・観光プロモーション・不動産・工事現場など、ジャンルごとに必要とされる撮影ノウハウや現場対応力は大きく異なります。その分野に特化した実績を持つ業者であれば、スムーズな進行や高品質な映像が期待できるでしょう。また、ホームページの制作実績ページをチェックし、どんな映像表現が可能なのかを事前に把握することも大切です。単に飛行できるだけでなく、企画力や演出力を兼ね備えているかどうかは、完成する映像のクオリティに直結します。さらに、専門性の高い分野では、安全管理や法令対応の知識も求められるため、過去の案件や導入事例を確認することで、その業者の信頼性をより具体的に判断できるでしょう。

操縦スキルと飛行経験

依頼内容に応じて、業者が現場に見合った飛行経験や操縦スキルを持っているかを確認することが大切です。特に重要なのは、GPSが効かない環境での飛行に対応できるかどうかです。

屋内や障害物の多い場所など、GPSが使えない状況では操縦者の技量が直接映像の品質に表れます。経験豊富なオペレーターであれば、こうした条件下でも安定した飛行を行い、安心して任せられる映像を提供してくれるでしょう。

費用と見積もりの透明性

ドローン業務の費用は、依頼内容によって大きく変わります。安心して依頼できる事業者は、事前に明確な料金体系を提示し、追加費用が発生するケースについても丁寧に説明してくれます。見積書には、機材費、人件費、申請費用といった詳細な内訳が記載されており、何にどれくらいの費用がかかるのかが一目でわかります。納得感のある見積もりは、信頼の証です。

資格の保有状況

資格情報がホームページに記載されていることを確認してみてください。

近年では、国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」を保有していなければ現場に入れない案件も増えてきています。ただし、この国家資格は費用と時間をかければ誰でも取得できる比較的ハードルの低いものです。そのため、最低限の知識と操縦技能を有している証明にはなりますが、必ずしも高い技量を保証するものではありません。イメージとしては車の普通免許に近い存在と考えるとよいでしょう。

一方で、国家資格が制度化される以前からドローンに携わっていたオペレーターは、JUIDA・DPA・DJI CAMPといった民間資格を取得しているケースが多く見られます。さらに操縦技術を磨き続けている業者のなかには、「PROパイロット技能認定会」や「日本ラジコン電波安全協会のインストラクター」など、操縦スキルに特化した資格を保有している場合もあります。また、ドローンレースでの受賞歴も技術力の証として評価材料になるでしょう。

結論として、国家資格は持っているに越したことはありませんが、それだけでオペレーターの実力を測ることはできません。資格情報はあくまで参考材料とし、飛行経歴や実績、作品例と併せて総合的に判断することが大切です。

個別申請への柔軟性

飛行に必要な許可申請を自社で完結できる業者を選ぶのが望ましいです。外部の行政書士に依頼している場合、申請費用に手数料が上乗せされるため、結果的にコストが高くなる傾向があります。

一方で、自社で申請を行える業者は、航空法や関連法令に精通していることが多く、法令遵守への姿勢がしっかりしていると判断できます。これは単なるコスト面でのメリットにとどまらず、依頼者にとって「安心して任せられるかどうか」を見極める大切なポイントとなります。

オペレーターの顔と経歴が確認できる

「一体どんな人が担当してくれるんだろう?」と不安に思う方も少なくありません。だからこそ、担当する操縦者の顔や経歴を事前に確認できるかどうかは、事業者を選ぶ上でとても重要なポイントです。顔写真が公開されていることで、サービス提供者の責任感が感じられますし、これまでの飛行実績や保有資格といった経歴が明示されていれば、その技術力や専門性を客観的に判断できます。顔と経歴がわかる事業者は、サービス品質に自信と責任を持っている証拠と言えるでしょう。

安全対策への意識

ドローンの飛行には、常に安全への配慮が不可欠です。信頼できる事業者は、法律や規制を遵守していることはもちろん、万が一に備えた賠償責任保険に加入していることを明示しています。また、飛行前のリスクアセスメント(危険性の評価)を徹底し、安全な飛行のためのチェックリストなどを活用しているかどうかも重要な判断材料です。

自力と外注のどちらがいい?外注のメリット

自力と外注のどちらがいい?外注のメリット

空撮を「自社で行うか」「外注に依頼するか」で迷う方も多いと思います。ここでは、プロのドローン空撮会社に依頼するメリットを3つの視点からご紹介します。

卓越した操縦技術と撮影スキル

プロのドローン空撮は、ただ機体を飛ばすだけではありません。構図・光まで計算された、芸術的な飛行が求められます。特に映像制作においては、自動航行では表現できない繊細な動き、例えば被写体を滑らかに追尾する飛行などは、オペレーターの手動操縦技術がクオリティを大きく左右します。

また、中型機以上では、機体の操縦とカメラ操作を分ける「2オペ(ツーオペレーション)」体制を採用することで、より複雑で高度な映像表現を可能にします。クライアントの要望を正確に汲み取り、風向きや天候など変化する現場の状況に臨機応変に対応する「現場力」も、経験豊富な専門会社ならではの強みです。

案件に応じた適切な機材選定

映像制作会社などでもドローンを保有しているケースは増えましたが、コンパクトな小型機体のみを扱っている場合も少なくありません。一方、専門のドローン空撮会社は、高画質のカメラを搭載できる中・大型機、小回りの利くマイクロドローンなど、多様な機体を豊富に保有しています。CMや映画、建設現場、屋内など、撮影の目的や環境に応じて最適な機材を選定できるため、最高の成果を追求できます。

法令遵守と申請手続きの対応力

ドローンの飛行には、場所や方法に応じたさまざまな法令知識が必要です。申請経験が豊富な専門会社は、必要な手続きを的確に判断し、書類作成から提出、関係各所との調整までを一括して代行します。これにより、依頼主は手続きの煩わしさから解放されます。さらに、プロの会社は賠償責任保険への加入や、飛行前の安全対策を徹底しているため、万が一の事態にも安心して撮影を任せることができます。

ドローン空撮会社へのご依頼は、株式会社TRICO.までお問い合わせください。

著者:石山裕太 TRICO.代表取締役

ドローンカメラマンとして業界歴10年以上。CM、VR、イベント、産業系とオールジャンルの撮影に携わる。 マイクロドローンから超大型機まで、繊細な飛行技術を有する案件が得意。ドローンVR作品は日本各地で上映中。

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