災害時の360°カメラ搭載ドローン活用|能登半島地震の事例と自治体の初動情報収集

投稿:2025年5月19日|更新:2026年10月13日著者:石山裕太 TRICO.代表取締役

VR・360 ドローン全般 点検・産業

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災害の初動では、限られた時間の中で救助の優先順位を決め、通行できるルートを選び、どこに人員を送るかを判断しなければなりません。その判断の土台になるのが、現場から上がってくる一次情報です。情報が遅れたり欠けたりすれば、判断そのものが遅れ、被害の拡大につながります。

自治体や消防・警察・自衛隊では、すでにドローンによる被災地の空撮が広く行われています。ただ、一般的なドローンのカメラが記録できるのは、レンズを向けた一方向だけです。北を撮っている間、南・東・西で何が起きているかは映像に残りません。しかも、見たい方向へ正確にカメラを向け続けるには、機体の操縦とカメラの操作を同時にこなす技術が必要です。

この二つの制約をまとめて解消するのが、360°カメラを搭載したドローンです。被災地の上空をまっすぐ往復するだけで全方位が記録され、必要な方向は後から何度でも見返せます。本記事では、2024年の能登半島地震で実際に行われたドローンと360°記録の活用を振り返りながら、初動の情報収集から災害の伝承・アーカイブまで、360°カメラ搭載ドローンをどう使い分ければよいかを解説します。

能登半島地震で見えたドローン活用と360°記録の実例

2024年1月1日の能登半島地震は、日本の災害対応でドローンが組織的に使われた大きな転機になりました。

緊急用務空域の中で始まったドローンの支援活動

発災翌日の1月2日には、捜索・救助にあたる有人機の安全を確保するため、被災地上空が緊急用務空域に指定され、ドローンの飛行は原則禁止されました。そのうえで、1月4日に輪島市からの要請を受けたドローンの業界団体が、多数のドローン関係団体を束ねて現地に入り、2月7日までの約1か月で100回以上の支援活動を行っています。行方不明者の捜索、孤立地域の被害状況の確認、医薬品の輸送などに加え、FPVドローンによる倒壊建物内部の調査は、国内の実災害で初めての取り組みとなりました。国土交通省の職員と民間の協力会社によるドローン調査も、河川・砂防・道路の通行可否などの分野で実施されています。

360°カメラの記録が、離れた場所からの判断を支えた

360°の記録が具体的な成果につながった例もあります。被害の大きかった珠洲市では、被災者の生活再建に欠かせない住家の被害認定調査を進めるうえで、山間部や海岸部など人が立ち入りにくい地域が課題になっていました。そこで、通信事業者のグループ会社などが中心となり、ドローンによる空撮と、ドローンの飛行が非効率な場所での手持ちの360°カメラによる撮影を組み合わせて対象の住家を記録しました。撮影データをもとに、珠洲市を支援していた熊本市の職員が熊本市役所から遠隔で被害を判定し、罹災証明書の発行につなげています。

政府の検証チームがまとめた資料でも、能登半島地震ではドローンで三次元データや360°画像を取得し、より詳細な状況把握と迅速な共有につなげた事例があったと整理されています。道路や宿泊施設が被災して調査の人手を被災地に送り込めないなか、珠洲市ではドローンの写真をもとに約300棟の被害認定調査をリモートで行った例も報告されています。

ここから見えてくるのは、「現場で撮った記録を、離れた場所にいる別の人が、後から必要な部分だけ見返して判断する」という使い方の有効性です。これはまさに、360°記録が最も力を発揮する使い方でもあります。

明らかになった課題

一方で、総務省の情報通信白書では、今後の迅速な活用に向けた課題として、緊急用務空域が指定された中での飛行許可の問題、天候や長時間飛行の難しさといった機体性能の問題、操縦者不足という人材の問題が挙げられています。政府の資料では、自治体がドローンを保有していなくても、外部の事業者が機体と操縦者を派遣することで状況把握が可能になったことも紹介されています。外部の力を借りる仕組みと、自治体自身が初動で動ける力。その両方を平時から整えておくことが、次の災害への備えになります。

360°カメラ搭載ドローンが初動に向いている理由

被災地の上空をまっすぐ往復するだけで、全方位が記録される

360°カメラ搭載ドローンの最大の利点は、撮影の手順がとても単純なことです。被災エリアの上空に、平行な数本の直線ルートを決めて往復する。基本的にはそれだけで、ルート上のあらゆる地点から見た上下左右すべての方向が記録されます。

どこにカメラを向けるかを飛行中に判断する必要がないため、限られたバッテリーと時間の中でも、撮り漏れを気にせず飛行に集中できます。現場の操縦者が気づかなかった建物の裏側や地形の窪地も、映像にはすべて残っています。

通常のドローン撮影は「操縦」と「カメラ操作」の同時進行

一方向のカメラで同じ範囲を撮ろうとすると、話は大きく変わります。機体を飛ばしながらジンバル(カメラの向き)を操作し、見たい対象をフレームに収め続けなければなりません。これは映像制作の現場でも高度な技術とされる作業です。

日頃から撮影に慣れていない職員がこれを行うと、カメラの向きが定まらずに揺れる、肝心の場所がフレームから外れている、移動が速すぎて何が映っているかわからない、といった「見たいところがしっかり見られない映像」になりかねません。撮り直しに行こうにも、災害時にはその時間がないことがほとんどです。

まずは被災地の全体を把握する、という初動の目的に限っていえば、操縦の技術に左右されにくく、全周囲を確実に収録できる360°撮影が最適な方法だといえます。

必要な方向を、必要な人が後から見返せる

360°映像は、再生するときに見る方向を自由に変えられます。指揮所で「この交差点から北側の道路は通れそうか」と聞かれても、撮り直しに行く必要はありません。録画データの該当する場面を開き、北を向けば確認できます。

消防は救助が必要な場所、道路管理者は寸断箇所、福祉担当は避難所の周辺というように、同じ映像から部署ごとに必要な方向の情報を引き出せることも大きな利点です。能登半島地震の被害認定調査のように、現地に行けない担当者が離れた場所で判断に使うこともできます。

通常のドローンとの役割分担

360°撮影は「全体を漏れなく残す」ことに強みがある一方、特定の箇所を大きく拡大して見る用途には向きません。損傷の程度を詳しく確認したい橋梁や斜面、熱源から要救助者を探す場面などでは、ズームカメラや赤外線カメラを搭載した産業用ドローンが適しています。まず360°で全体を把握し、詳しく見るべき場所を絞り込んでから、専用のカメラで詳細を確認する。この順番で組み合わせると、初動の情報収集を効率よく進められます。

📎 関連記事:360°撮影の仕組みや機材構成については「VRドローン撮影とは|11K・16Kの高画質360°空撮と活用方法」で詳しく解説しています。

通常のカメラとVRカメラの同時記録

初動の情報収集なら、手軽に使えるAvata 360で十分

360°カメラ搭載ドローンと聞くと、大型の機体に専用カメラを組み合わせた特殊な機材を思い浮かべるかもしれません。しかし現在は、DJI Avata 360のように、360°カメラを一体化した小型のドローンが市販されています。初動で被災地の全体を把握するという目的であれば、このクラスの機体で十分に役割を果たせます。

Avata 360は離陸重量455gの機体で、8K/60fpsの360°動画を撮影できます。ゴーグルを使ったFPV操縦だけでなく、DJIの送信機を使った一般的なドローンと同じ操縦にも対応しており、飛行中は送信機の画面でライブ映像を確認できます。全方向の障害物検知とプロペラガードを備え、最大飛行時間は23分です。42GBのストレージを内蔵しているため、microSDカードがなくても8Kの360°動画を約30分記録でき、撮影後はWi-Fiでスマートフォンなどへ高速に転送できます。価格も送信機付きで10万円台からと、自治体の防災機材として検討しやすい水準です。

DJI avata360
DJI avata360

なお、Avata 360は100g以上の無人航空機にあたるため、機体登録が必要で、航空法の飛行ルールが適用されます。ゴーグルを使って操縦する場合は、機体を直接目視で監視する補助者の配置も必要です。職員が運用する場合は、送信機による通常の操縦を基本にすると、扱いやすく安全面でも管理しやすくなります。

災害の伝承・アーカイブには高画質ドローンVRが有効

初動の把握が「いま何が起きているか」を知るための記録だとすれば、もう一つ重要なのが、「何が起きたのか」を後世に伝えるための記録です。石川県は、能登半島地震と同じ年の9月に発生した奥能登豪雨も含め、災害の記憶と復興の記録を継承するためのアーカイブを公開しており、被害の3Dモデルなども紹介しています。災害を記録し、伝承していく取り組みの重要性は、ますます高まっています。

震災伝承施設のシアター展示、防災教育用のVRコンテンツ、復興の節目に公開する記録映像として360°映像を残す場合は、8Kクラスの機体よりも高画質なドローンVR撮影が有効です。大きなスクリーンへの投影や、細部まで見回せる体験を想定すると、解像度の差が仕上がりの差としてはっきり表れます。TRICO.では、11K・16Kの高画質VR撮影に対応しており、撮影素材に映り込んだ機体やプロペラは編集で消し込み、空を飛んでいるような視点の映像として仕上げます。

被災直後の景観は、解体や復旧が進むにつれて失われていきます。伝承やアーカイブとして残したい場合は、どの時期に、どの範囲を、どの品質で記録するかを早めに検討しておくことが大切です。

大型VRドローン

📎 関連記事:8K・11K・16Kの画質や用途の違いについては「4K/8K撮影編|低予算でも高品質なドローンVR機材」で解説しています。

どんな場面で役立つか|初動から復旧・防災教育まで

360°映像の価値は、「見逃さないこと」「後から見直せること」「現場に行かなくても空間を理解できること」の3点に集約できます。災害対応の時間軸に沿って、それぞれの場面での使い方を整理します。

初動:被災範囲と通行可否をまとめて把握する

発災直後に必要なのは、浸水や土砂の範囲、通行できる道路、孤立している地区の把握です。一方向のカメラで複数回飛行すると、撮った映像同士がつながらず、全体像を検証しにくいデータになりがちです。直線ルートの往復で記録した360°映像なら、ルート上の各地点で全方位がそろっているため、「この地点から見て、どの方向の道が通れるか」を一つの映像で判断できます。衛星画像や有人ヘリによる広域の把握に、ドローンによる低空からの詳細な情報を重ねることで、初動の判断材料が厚くなります。

指揮所・本部:同じ空間認識を共有する

360°映像は、指揮所や災害対策本部のPCモニター上で、見る方向を動かしながら複数の担当者で確認できます。消防・警察・自衛隊・自治体の各部署が同じ映像を見ながら話せるため、口頭や写真だけで状況を伝えるよりも認識のずれが起きにくくなります。隊員を危険な区域に入れる前に周囲の状況を映像で確認しておけることは、救助にあたる側の安全確保にもつながります。

なお、VRゴーグル(HMD)での視聴は没入感がある一方、ゴーグル側の処理性能の制約から、高解像度のデータはそのままでは再生できず、解像度を下げたデータを別途用意する必要があります。初動の判断にはPCモニターでの確認、訓練や教材にはゴーグルでの体験、と使い分けるのが現実的です。

復旧・検証:報告や被害認定の根拠になる記録を残す

災害時の映像記録は、その場の判断材料にとどまりません。被害認定調査の補助、復旧計画を立てる際の根拠資料、国や関係機関への報告資料として、長く使われます。特定の地点を切り取った写真と違い、360°映像はその場所の周囲すべてを残すため、後から「別の方向はどうだったか」という問いにも答えられます。実際に被害がどこまで広がったかの空間的な記録は、ハザードマップや地域防災計画を見直す際の材料にもなります。

平時:防災教育と訓練の教材にする

災害現場の360°映像は、学校での防災教育、避難訓練、地域の防災ワークショップでも活用できます。ゴーグルで被災地の空間を体験すると、ハザードマップの色分けだけでは伝わりにくい被害の広がりが実感を伴って理解され、避難行動を考えるきっかけになります。

一方で、被災地の映像には被災者の住宅や、個人が特定できる情報が映り込みます。教材や公開用に使う場合は、映り込みへの配慮や加工、関係者の了承といった手順を、利用目的に合わせて決めておく必要があります。

災害の種類別に見る活用シーン|過去の大規模災害から考える

能登半島地震以外の大規模災害についても、当時360°カメラ搭載ドローンがあれば、どのような情報が得られたかを災害の種類別に整理します。

津波・広域浸水(2011年 東日本大震災)

津波被害は沿岸部の広い範囲に及び、港湾部や市街地で「どこが浸水しているか」「どこに人が取り残されているか」の把握に時間がかかりました。沿岸部に沿って往復するだけで、浸水の範囲、建物の上に避難している人の位置、通行可能な道路を一度の飛行でまとめて残せます。被害後の空間記録は、復興計画の検討や、後年の検証・教育のための一次資料にもなります。

河川氾濫(2019年 台風19号)

令和元年東日本台風(台風19号)では、関東・東北の各地で堤防の決壊や越水が起き、長野県の千曲川や福島県の阿武隈川の流域などで市街地が広く浸水しました。浸水が面的に広がる災害では、住宅地・道路・避難経路の全体像をいち早くつかむことが求められます。避難所が浸水で孤立した場合も、建物の周囲を全方位から確認することで、避難者が外に出られる状況か、上階への避難を優先すべきかを早く判断できます。

土砂災害(2018年 西日本豪雨、2021年 熱海土石流)

西日本豪雨では広島・岡山・愛媛などで土砂災害が相次ぎ、道路や鉄道の寸断で孤立集落が多数発生しました。熱海市の土石流では、再崩落のおそれがある危険区域に人が入れず、救助活動の安全確保が課題となりました。谷筋や斜面に沿って360°で記録すれば、崩落の範囲、道路の寸断箇所、斜面上部の状況を、救助隊が接近する前に把握できます。

地震による家屋倒壊(2016年 熊本地震)

熊本地震では市街地で多数の家屋が倒壊し、住宅密集地での立ち入りが危険な状況が続きました。倒壊状況のマッピング自体は通常のドローンでも可能ですが、360°映像であれば、市役所・消防・自衛隊など複数の部署が同じ映像から、それぞれの関心に応じた方向の情報を引き出せます。

導入前に知っておきたい課題|法制度・運用・技術

緊急用務空域と捜索救助特例

大規模な災害が起きると、捜索・救助などにあたる有人機の安全を確保するため、国土交通大臣が被災地上空を「緊急用務空域」に指定することがあります(航空法第132条の85)。指定された空域では、ドローンの飛行が原則として禁止されます。

ただし航空法第132条の92では、事故や災害の際に、国や地方公共団体、またはこれらの依頼を受けた者が捜索・救助のために飛行させる場合について、飛行禁止空域や飛行方法などの規定の適用を除外する特例を設けています。自治体が自ら飛ばす場合も、自治体の依頼を受けた民間事業者が飛ばす場合も、この特例のもとで飛行できる道があります。

注意したいのは、この特例は安全確保の責任を免除するものではないという点です。国土交通省の運用ガイドラインでは、特例を適用する場合でも、許可を受けた場合と同程度の安全確保を自主的に行うことが求められています。有人ヘリとの空域の調整、地上の安全管理、飛行記録の管理まで含めて対応できる体制がなければ、特例があっても現場では動けません。外部の事業者に依頼する場合も、災害が起きてから依頼先を探していては初動に間に合わないため、誰が、どの経路で依頼するのかを平時に決めておくことが前提になります。

天候と時間帯の制約

豪雨の最中や強風下では、ドローンは飛行できません。夜間の飛行にも制約があります。風雨が収まったわずかな時間が、最初の情報収集の機会になる場面も少なくありません。その限られた時間で必要な情報を取り切れることも、往復するだけで全方位を残せる360°撮影の強みです。飛行の可否は、機体の性能と、現地の風・雨・視程の予報から判断します。

📎 関連記事:風・雨・雲量からの飛行可否の判断については「撮影のプロが信頼する天気予報サイトとは?」で解説しています。

データ容量と共有の方法

360°映像は高解像度で全方位を記録するため、データ量が非常に大きくなります。通信が不安定な被災地で、全方位の映像をリアルタイムで指揮所に伝送するのは困難です。飛行中は送信機のライブ映像で安全と状況を確認し、360°映像は機体に記録して、着陸後に端末へ転送して確認・共有するのが基本の流れになります。記録したデータを、誰が、どの形式で、どの手段で指揮所や関係部署に渡すかも、平時に決めておきたい項目です。

操縦者と運用体制

災害現場は、倒壊物や電線、有人ヘリの飛来、立ち入る救助隊など、平時の撮影よりもはるかに条件の厳しい環境です。360°撮影によって操縦そのものの負担は軽くなりますが、飛行ルートの設定、離着陸場所の確保、周囲の安全を確認する補助者の配置、関係機関との調整は欠かせません。能登半島地震でも操縦者不足が課題として挙げられたように、機体があっても、安全に運用できる人がいなければ現場では使えません。

平時から「災害対応モード」をつくる|自治体・防災機関とドローン事業者の連携

災害対策は、起きてから考えるのではなく、起きる前から仕組みをつくっておくことが求められます。360°カメラ搭載ドローンは、まだ自治体で一般化している技術ではありませんが、機材が手軽になった今こそ、先行して実証と体制づくりを進める価値があります。

すでに一部の都道府県では、地域防災計画の中に無人航空機の運用調整を位置づける動きが始まっています。たとえば愛知県では、県災害対策本部の航空運用チームが、有人機だけでなく無人航空機の運用も必要に応じて調整し、国への緊急用務空域の指定依頼も担うことが計画に盛り込まれました。多くの機体が同じ空域を使う災害時に、ドローンを有人機と同じ運航調整の枠組みに組み込むことは、安全と効率の両面で欠かせません。

民間のドローン事業者と連携する場合に、平時に整理しておきたいのは次のような項目です。災害時に誰が、どの経路で出動を依頼するのか。どの範囲を、どの優先順位で飛ぶのか。撮影したデータを、どの形式でいつまでに渡すのか。費用負担や保険をどう扱うのか。これらを災害協定などの形であらかじめ取り決めておけば、発災時は確認ではなく行動から始められます。

あわせて、地域の防災訓練やハザードマップの作成・見直しと連動させて、実際に360°映像を撮影し、指揮所での共有や教材化までを一度通しておくと、本番で何が足りないかが見えてきます。初動の撮影は自治体の職員が担い、専門的な撮影や伝承用の記録は外部の事業者に任せるなど、地域の規模や体制に合わせて役割を分けることで、無理なく続けられる仕組みになります。

TRICO.が災害対応でお手伝いできること

TRICO.は、Avata 360のような手軽な360°ドローンから、11K・16Kの高画質VR撮影システムまでを運用しています。用途に合わせた機材検証から構成の立案、実運用までを自社で行っており、初動の情報収集、復旧過程の記録、伝承・アーカイブ用の高画質記録まで、目的に合わせた撮影方法をご提案できます。

災害時には、被災地の状況把握、孤立地域の確認、復旧活動の初動支援などに対応します。平時には、防災訓練での撮影、防災教育用の360°映像制作、震災伝承施設などで上映する高画質VRコンテンツの制作まで、継続的にご協力できます。自治体の公募案件についても、企画立案や提案書の段階からドローン撮影の相談相手としてご活用ください。

まとめ|「現場を記録する」から「現場を理解する」へ

360°カメラとドローンを組み合わせることで、災害対応の情報収集は、特定の方向を「記録する」段階から、現場の空間全体を「理解する」段階へ進みます。被災地の上空をまっすぐ往復するだけで全周囲を残し、必要な方向を後から何度でも見返せることは、操縦に慣れていない職員でも確実な記録を残せるという意味で、初動の情報収集に最も適した方法です。

能登半島地震では、ドローンと360°記録が、現地に入れない状況での状況把握や被害認定を支えました。同時に、飛行許可・機体性能・人材という課題も明らかになりました。初動にはAvata 360のような手軽な機材を、伝承やアーカイブには高画質なドローンVRを。目的に合わせた使い分けと、平時からの体制づくりが、次の災害への備えになります。

よくある質問

Q. 360°カメラ搭載ドローンと、通常のドローンでは何が違いますか?
A. 通常のドローンは、操縦しながらカメラを見たい方向へ向け続ける必要があり、記録できるのもその一方向だけです。360°カメラ搭載ドローンは、上空を往復するだけで上下左右すべての方向が記録され、撮影後に見る方向を自由に変えられます。現場で見落とした方向も、後から確認できます。

Q. ドローンの撮影に慣れていない職員でも使えますか?
A. 360°撮影はカメラの向きを操作する必要がないため、決めた直線ルートを往復するだけで全方位を記録できます。災害現場を記録するだけであれば通常のドローン撮影よりも操縦者の技術に左右されにくい方法です。ただし、機体の基本操作や法令、安全管理の知識は欠かせないため、事前の講習や訓練をおすすめします。

Q. 初動の情報収集には、どのような機材が必要ですか?
A. 被災地の全体を把握する目的であれば、DJI Avata 360のように360°カメラを一体化した小型ドローンで十分です。送信機による通常の操縦に対応し、8Kの360°動画を撮影できます。損傷箇所の詳細な確認や、伝承・アーカイブ用の高画質な記録が必要な場合は、目的に合った機材を組み合わせます。

Q. 災害時、被災地の上空を自由に飛ばせますか?
A. 被災地上空が緊急用務空域に指定されると、ドローンの飛行は原則禁止されます。ただし、国や地方公共団体、またはその依頼を受けた者が捜索・救助のために飛行する場合は航空法の特例が適用されます。特例のもとでも安全確保の責任は残るため、平時から運用の体制と依頼の経路を決めておくことが重要です。私有地上空の飛行や第三者上空飛行などは航空法を遵守して飛行させる必要があると思います。

Q. 豪雨の最中でも飛行できますか?
A. 豪雨や強風の最中は、安全上ドローンを飛行させることはできません。風雨が収まったタイミングが最初の情報収集の機会になることも多く、飛行できる時間が限られるからこそ、往復するだけで全方位を記録できる360°撮影が役立ちます。

Q. 撮影した映像はVRゴーグルで見られますか?
A. VRゴーグルでも見られます。

Q. 災害協定を結んでいなくても相談できますか?平時の訓練だけの依頼も可能ですか?
A. どちらも可能です。災害時の緊急の派遣などもご相談ください。
VRに限らず、LiDAR計測、写真食料なども対応しております。

災害時支援をご検討の自治体・関係機関の皆さまへ

TRICO.では、360°カメラ搭載ドローンを活用した災害時の情報収集支援と、平時からの訓練・体制づくりへの協力を行っています。

また、初動の撮影を職員の皆さまご自身で担えるよう、自治体職員向けのVRドローン撮影講習のご提案も可能です。機体の基本操作や安全管理、被災地を想定した往復ルートでの撮影、記録したデータの確認・共有の方法まで、地域の実情に合わせた内容で組み立てます。防災訓練とあわせての実施もご相談ください。

災害協定、講習、伝承・アーカイブ用の撮影など、まずはお気軽にお問い合わせください。

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著者:石山裕太 TRICO.代表取締役

ドローンカメラマンとして業界歴10年以上。CM、VR、イベント、産業系とオールジャンルの撮影に携わる。 マイクロドローンから超大型機まで、繊細な飛行技術を有する案件が得意。ドローンVR作品は日本各地で上映中。

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