トップ» コラム一覧»DJI Inspire 3の空撮|映画・CM・ドラマで使う理由とシネマ撮影の実運用
Inspire 3が映画・CM・ドラマで使われる理由
DJI Inspire 3が映画・CM・ドラマの現場で使われる理由を先にまとめると、制作側が求める収録形式とカメラワークに、ドローンのなかで最も高い水準で応えられる機体だからです。搭載するZenmuse X9-8K Airは、現行のDJI機体で唯一CinemaDNGでの収録に対応し、8KのProRes RAW収録やレンズ交換もできます。さらに、飛行とカメラワークを独立させられる機体設計とRTKによる精密な飛行を備えており、地上カメラやカメラカー、特機、ステディカムが物理的に届かないアングルを補う空撮用のカメラとして現場に入れます。
ただし、Inspire 3の画がシネマカメラと同等になるわけではありません。収録形式の面では地上カメラに近い運用ができても、色味やレンズの表現力ではシネマカメラに及ばず、DJIの色味を好まない監督・カメラマンも少なくありません。Inspire 3を使う意味は「シネマカメラの代わり」ではなく、「シネマカメラでは届かないアングルを、できるだけ近い条件の素材で撮ること」にあります。また、機材を持ち込めば画が成立するわけでもなく、レンズや撮影体制、飛行の判断と現場での対応力が仕上がりを左右します。本記事では、TRICO.が10年以上の現場経験のなかでInspire 3をどう運用しているかを、スペックの紹介ではなく「現場でどう効くか」という観点から整理します。

結論|Inspire 3を使う理由と、現場で効く場面
Inspire 3を使う理由は、機体の性能そのものより「どのカットで効くか」で整理すると判断しやすくなります。
| Inspire 3を使う理由 | 現場で効く場面 |
|---|---|
| CinemaDNG・8K ProRes RAW収録に対応したZenmuse X9-8K Air | 撮影部・DITからRAW収録を指定されているカット、グレーディングの余地を残したいカット |
| DLマウントの交換レンズ(TRICO.では11mm〜90mm) | 背景の圧縮感やスピード感など、画角によって狙いが変わるカット |
| 飛行とカメラワークを独立できるデュアル制御 | 車や人物など、被写体の動きに合わせて構図を細かく修正したいカット |
| RTKとWaypoint Pro | 緻密な動きや、同じ軌道の再現が必要なカット |
| TRICO.の運用:機体・ジンバルカメラともに2台保有 | 撮り直しのきかない本番、キャスト・スタッフの拘束が大きい現場、長期ロケ |
以下、それぞれを現場の運用とあわせて解説します。
Zenmuse X9-8K Air|収録形式で選ばれるカメラ
Inspire 3に搭載するZenmuse X9-8K Airは、フルサイズセンサーのジンバル一体型カメラです。DJIは14ストップ以上のダイナミックレンジを公表しており、空の階調や水面・ガラス面の反射、夕景のように明暗差の大きい場面でも、ハイライトとシャドウの情報を残しやすいのが特長です。デュアルネイティブISOにも対応し、30fps以下ではEI 800と4000を基準感度として使えるため、夕景や夜景でも無理に感度を持ち上げずに撮影できます。
X9-8K Airを搭載したInspire 3は、2025年にNetflixの承認カメラリストにドローンとして初めて加わりました。これは画質・収録面の基準を満たしたことを示すもので、シネマカメラと同等の表現力を保証するものではありませんが、作品の技術要件のなかで空撮素材を扱ううえでの一つの目安にはなります。
収録形式から機体が指定される
CM・映画・ドラマの空撮では、ドローン撮影会社に発注がかかる段階で、収録形式から逆算して機体が指定されていることが多くあります。CinemaDNGやProRes RAWで収録したい、フルサイズの画が欲しい、となればInspire 3が指定される、という流れです。一方で予算が合わない場合は、収録形式を妥協してMavic 4 Proなどの小型機にランクダウンすることもあります。
収録形式そのものは、カメラマン・撮影部・DITから指定していただく運用が基本です。グレーディングや合成をどこまで行うか、地上のメインカメラが何で収録しているかによって最適解が変わるためで、TRICO.は指定に沿って準備を整えたうえで、Inspire 3側でできることと制約(RAW収録に必要なライセンス、データ量、記録メディアの本数など)を事前に共有します。
RAW収録は「対応している」と「毎回使う」を分けて考える
X9-8K Airは、8K/25fpsまでのCinemaDNG、8K/75fpsまでのApple ProRes RAWを内部収録できます(RAW収録には別売の有償ライセンスが必要です)。ただし、Inspire 3で撮るからといって毎回RAWで収録するわけではありません。8K RAWはデータ量が大きく、メディアの本数やグレーディングの工数がそのまま増えるため、予算と後工程の体制によってはProResで4K収録が指定される案件も多くあります。Inspire 3がRAWに「対応している」ことと、その案件でRAWを「使う」かどうかは、分けて考えておくと発注時の判断がしやすくなります。
地上のシネマカメラと並べるときに知っておきたいこと
空撮カットは、最終的に地上のカットと並んで編集されます。X9-8K AirはDJI Cinema Color System(DCCS)による色づくりで地上カメラとのカラーマッチングに配慮されており、Log・RAWで収録しておけばグレーディングで寄せる余地も残せます。とはいえ、色味やレンズの描写はシネマカメラとは異なり、DJIの色味そのものを好まない監督・カメラマンもいらっしゃいます。空撮素材をどこまで地上に寄せるかはグレーディング側の判断になるため、撮影の段階では指定された収録形式と設定を守り、素材としての情報をできるだけ残しておくことが大切です。
編集面では、3.5mm端子から外部のタイムコードジェネレーターと同期できるため、マルチカメラの編集でも素材の頭出しがしやすくなります。
飛行とカメラワークを独立させられる機体|2オペという選択肢
Inspire 3の機体設計で最も大きな特徴は、飛行とカメラワークを完全に独立させられることです。デュアル制御モードでは2台の送信機がそれぞれ独立して映像と操作の信号を受け取れるため、パイロットは飛行を、カメラオペレーターはジンバルを、別々に操作できます。ランディングギアを上げればフレームが映り込まずに360°パンでき、ギアを下げた状態では上向き80°までのチルト(チルトブースト)にも対応します。
Mavicシリーズのようにカメラが機体に固定された機種では、機体の向きがそのままカメラの向きになるため、構図は飛行軌道でほぼ決まります。横移動の途中で構図を変えたければ機体そのものを旋回させる必要があり、軌道や背景の流れ方にも影響が出ます。Inspire 3なら、機体は横移動を保ったままカメラだけをパンできるため、被写体の位置やリードスペース、背景とのバランスを細かく調整でき、レール移動のような自然な画になります。同じ飛行ルートのまま、カメラだけで前方・側方・後方を見せ分けられるのも、この設計があってこそです。
2オペを選ぶ場面、1オペを選ぶ場面
ただし、Inspire 3で撮るときに必ず2オペで組むわけではありません。1オペと2オペのどちらで臨むかは、コンテの内容と撮影条件を見てTRICO.が判断します。たとえば自然風景をゆったりとした大きな動きで見せるカットでは、操縦とカメラワークを1人で一体的にコントロールできる1オペのほうが適している場面も多くあります。
2オペが効くのは、飛行プランを崩さずに構図だけを修正したい場面です。監督・撮影監督からの「もう少し左」「パンを遅らせて」といった指示には、1オペでも十分に対応できます。2オペの価値は指示に対応できること自体ではなく、飛行を変えずに構図だけを変えられる点にあります。具体的には次のような場面で、2オペを選ぶ理由が生まれます。
- 車や人物など(パイロットは軌道だけ、カメラオペレーターは構図だけを個別に修正できる)
- 水平・構図・パンやチルトのズレが許されず、OKテイク率を上げたいカット
- 都市部、森林、建物の周辺など、パイロットが障害物や安全距離の確認に集中したいロケーション
一方で、2人いれば成立する体制ではありません。パイロットの飛行ルート・速度・高度がカメラオペレーターの意図とずれれば、その素材は使えなくなります。この呼吸を合わせるには継続的な練習が必要で、短期間で身につくものではありません。2オペで良い画が撮れるかどうかは、機材構成ではなく、組んでいる2人の技術と経験にかかっています。
車の撮影ではスピードモード全開で飛行する場面が多く、2オペでないと撮影できないカットがたくさんあります。操縦に集中できるので安全にも繋がります。
カメラオペレーターの操作環境
2オペでカメラオペレーターがジンバルを操作する方法には、送信機(プロポ)、IGNITE DIGIのコントロールデッキ、DJI Force Pro、DJI Master Wheels(マスターホイール)があります。TRICO.ではどれか一つに決めているわけではなく、カットの内容や作品、現場の要望に合わせて使い分けています。
Force Proやコントロールデッキを使う場合は、作品のカメラマンと組んで、カメラマン自身にジンバルを操作していただくこともあります。なかでもForce Proは、三脚に据えて普段使っている雲台と同じ感覚でジンバルを操作できるのが大きな利点です。
マスターホイールは現場によって使う場面がある操作方法で、TRICO.の常備機材ではないため、使用をご希望の場合は機材屋からのレンタル手配が必要になります。

地上では高輝度モニターで監督・撮影監督がリアルタイムに画を確認でき、パイロット・カメラオペレーター・監督の間はHollyland Solidcom C1 Proのインカムでつないで、声を掛け合いながら撮影を進めます。
2オペの役割分担、フォーカスプラーや安全監視員が必要になる条件など、人員体制の詳細は CM・映画のドローン撮影体制|Pilot・Camera Op・Focus・補助者 で解説しています。
レンズ交換で画角を選べる|11mmから90mmまでの使い分け
レンズ一体型の小型機と比べたとき、Inspire 3の大きな違いはレンズを交換できることです。焦点距離が変われば、パースのつき方、背景の圧縮感、同じ速度で飛んだときのスピード感が変わります。TRICO.が保有しているレンズと、現場での主な使いどころは次のとおりです。
| レンズ | 種別 | 現場での主な使いどころ |
|---|---|---|
| LAOWA 11mm | 超広角・MF | 歪みの少ない超広角が必要な特殊カット |
| LAOWA 14mm | 超広角・MF | 18mmより広く、地形や建物のスケールを強調したいカット |
| DJI DL 18mm F2.8 ASPH | 超広角 | 街や地形の全体を見せるカット、建築のスケール感 |
| DJI DL 24mm F2.8 LS ASPH | 広角 | 車両追従など動きのあるカットで基準になりやすい画角 |
| DJI DL 35mm F2.8 LS ASPH | 標準 | 被写体と背景のバランスを取りたいカット |
| DJI DL 50mm F2.8 LS ASPH | 中望遠 | 背景を引き寄せる圧縮効果を使いたいカット |
| DJI DL 75mm F1.8 | 望遠 | 背景の圧縮やボケを活かしたいカット、被写体から距離を取ったまま寄った画が必要なカット |
| Viltrox 90mm | 望遠(サードパーティ製) | 標準ラインナップにない画角が必要な場合の選択肢。運用条件は事前に共有したうえで使用 |
LAOWAの11mm・14mmはジンバルとの電子接点がないため、絞りは地上で露出に合わせておき、フォーカスは無限遠に固定して飛行します。飛行中にフォーカスを動かすカットには使えませんが、そのぶんDLレンズにはない超広角の画を作れます。
望遠になるほど操縦とカメラワークの難易度は上がる
75mmや90mmのような望遠レンズは、背景を大きく引き寄せた画や、被写体から距離を保ったまま寄った画を作れる一方、操縦とカメラワークの難易度が大きく上がります。わずかな角度のズレや風による揺れが画面上では大きく拡大されるため、パイロットの軌道とカメラオペレーターのパン・チルトがかみ合っていなければ、被写体はすぐにフレームから外れます。望遠のカットほど、事前のアングルチェックで飛行位置と速度の候補を絞り込み、本番ではその範囲で狙って撮ることが重要になります。
フォーカス・アイリスの遠隔操作とフォーカスプラー
フォーカスとアイリスは、DJI Three-Channel Follow Focusを使って無線で遠隔操作できます。
※電子接点を持つレンズのみ対応のため、LAOWAの11mm・14mmでは使えません。また、単焦点レンズの構成のためズームの遠隔操作はありません。
フォーカス送りは、ドローンチームではなく撮影部のフォーカスプラーが担う領域です。絞りを開けて被写界深度を浅くしたカットや、被写体との距離が撮影中に大きく変わるカットでシビアなフォーカス送りが必要な場合、TRICO.は事前に撮影部へ相談し、制作部を通じてそのカットにフォーカスプラーの手配が組めるよう調整します。
RTKとWaypoint Pro|緻密さや再現性が必要なカットでの使いどころ
Inspire 3はRTK(リアルタイムキネマティック)測位に対応し、センチメートル級の位置精度で飛行できます。これをもとにしたWaypoint Proでは、飛行ルートとジンバル・カメラの設定を記録して同じ軌道を繰り返し飛ぶ「反復ルート」や、設定した軌道上を速度を調整しながら前後に移動しつつジンバルを操作できる「3Dドリー」が使えます。
もっとも、撮影現場でWaypoint Proを使う場面は多くありません。TRICO.が使うのは、ミリ単位の緻密な動きが求められるカット、VFXや合成のために同じ軌道を被写体あり・なしで撮り分けるなど再現性が必要なカット、そしてアングルチェックで決めたスタート位置だけを記憶させておきたい場合です。スタート位置を記憶させておけば、テイクの合間に開始位置へ戻る時間を短縮できます。
一方、Waypoint Proは機体をスポーツモードにすると使えません。走行車のように速度の速い被写体を撮るカットはスポーツモードでのフルマニュアル飛行になるため、この機能は使えず、事前のアングルチェックで絞り込んだ位置・高度・軌道の候補をもとに、本番で最良のアングルを狙って撮ります。
また、RTKは十分な数の衛星を捕捉できていることが前提の技術です。高層ビルに囲まれた都心部では、RTKが高精度の状態(FIX)に入らないことも珍しくありません。緻密さや再現性が必要なカットでRTKを計画に組み込む場合は、ロケーションごとにその前提が成り立つかを事前に確認しておく必要があります。
撮影を止めないための2機体制
TRICO.はInspire 3の機体とZenmuse X9-8K Airをそれぞれ2台保有し、万一の故障やトラブルが起きても撮影を止めないことを優先しています。ドローンは空中に浮いている精密な電子機器であり、どれほど信頼性の高い機材でも、機材側のエラーをゼロにすることはできません。世界最高峰のF1ドライバーでもミスをするように、人間の判断にも絶対はありません。だからこそ「墜落しない」と過信するのではなく、機材故障などで墜落することを常にシミュレーションしたうえで運用しています。
キャストやスタッフ、ロケーションを押さえたCM・映画・ドラマの撮影日に、空撮の機材トラブルで進行が止まれば、その影響は空撮チームだけでは済みません。予備機をすぐに出せる体制があることで、現場は余計な緊張を抱えずに撮影を続けられます。
なお、Inspire 3の送信機は防塵防滴仕様ですが、機体本体は防水仕様ではありません。霧雨・小雨程度なら飛行させる場合もありますが、レンズに雨滴が付いた時点でそのカットは使えなくなり、飛行後は機体の拭き取り・乾燥・点検が欠かせません。雨の可能性がある日は、降り方とレンズへの雨滴付着のリスク、被写体やスタッフの状況を見ながら現地で判断します。
Inspire 3の空撮で問われるのは「操縦」より「現場での動き方」
映画・CM・ドラマの現場は、地上カメラのカメラマン、撮影部、カメラカーのドライバー、特機、ステディカムのオペレーターなど、それぞれの分野のプロで構成されています。ドローンチームにも同じ基準で、画質、再現性、判断の速さが求められます。高度な操縦技術は前提にすぎず、その上で問われるのは現場での動き方です。
安全の線引きと、成立させる方法の提示
狙ったアングルを追求することと、物理的な安全を確保することは常に背中合わせです。事故が起きれば撮影はその場で止まり、現場は混乱し、代理店や映像制作会社にも迷惑がかかります。TRICO.では機体と周辺環境のダブルチェックを行い、「どこまでなら安全に攻められるか」の線引きを撮影前に明確にします。
監督や制作部には「できる/できない」だけを返すのではなく、「この位置・高度・速度なら安全にこのアングルを撮れる」という成立させる方法を含めて提示します。コンテやカット割を決めるのは監督・代理店であり、ドローンチームはその意図に沿ってアングルと飛行の条件を詰める立場です。
香盤を把握し、撮影部の一員として動く
ドローンチームは独立したユニットではなく、撮影部の一部だと考えています。いまどのシーンを撮っていて、次にどの部署が動くのか。香盤を常に頭に入れて現場の進行を先読みしておけば、出番が来た瞬間にスタンバイを完了できますし、予期せぬスケジュール変更にも慌てずに対応できます。この余裕が、結果としてカットの質に直結します。
継続して仕事を任せていただける関係は、操縦だけでは築けません。レンズワーク、露出の判断、編集を見据えたフレーミングといった日々の積み重ねがあってこそだと考えています。
Inspire 3以外の機体を選ぶ場面
撮影は機材ありきではなく、撮りたいカットと収録形式、予算から逆算して機材を組み合わせるものです。TRICO.の現場でInspire 3以外の機体を選ぶ主な理由は、次のようなものです。
- 予算が合わない:RAW収録が必須でない場合や、収録形式を妥協できる場合は、Mavic 4 ProやMavic 3 Pro Cineのような小型機で構成して費用を抑えます。
- Inspire 3を飛ばせる環境ではない:屋内や什器の間を抜けるような狭い空間など、Inspire 3の機体サイズでは物理的に飛ばせない場所では、Cineclover 100 Liteのようなマイクロドローンを使います。
- TV番組などのロケもの:Mavic 4 Proなどの小型機で臨むことが多くなります。
このほか、飛行そのものを映像表現にしたいスピード感・没入感のあるカットにはAvata 2のようなFPV機を使うなど、求める表現によって機体を選ぶこともあります。1本の作品のなかで、Inspire 3とこれらの機体を組み合わせることも珍しくありません。
Inspire 3での空撮を相談する前に整理しておきたいことと費用
Inspire 3での撮影を相談いただく際、次の情報が揃っていると、機材構成・体制・スケジュールの提案が具体的になります。まず、コンテや撮りたいカットの内容と、そのうち空撮で担うカット。次に、撮影部・DITから指定される収録形式(コーデック、解像度、フレームレート)と、地上のメインカメラの機種。あわせて、データの受け渡し方法と納品の形。シビアなフォーカス送りが必要なカットの有無(フォーカスプラーの手配が必要か)と、ジンバル操作にマスターホイールを使いたいかどうか(使う場合はレンタル手配が必要です)。そして、ロケ地の候補と撮影時間帯、予備日の考え方です。
ロケ地については、飛行可否の調査と飛行許可の申請に加えて、撮影地の土地・施設管理者からの許可取得についてもご相談いただけます。条件がすべて固まっていない段階でも、決まっている範囲の情報でご相談ください。
費用は、機体のグレード、撮影日数、体制の人数、必要な申請によって決まります。TRICO.の公開料金では、Inspire 3クラスで1日あたり25万〜40万円程度が目安です(最新の料金・条件は料金ページでご確認ください)。予算に合わせて、収録形式を見直したうえでMavic 4 Proなどの小型機で構成するご提案も可能です。
Inspire 3の標準パッケージ例を含む料金体系は ドローン空撮料金のご案内 をご覧ください。
Inspire 3の主要スペック(参考)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 機体重量 | 約3,995g |
| 最大飛行時間 | 約28分(TB51デュアルバッテリー、ホットスワップ対応) |
| 最大水平速度 | 94km/h |
| 最大風圧抵抗 | 飛行中14m/s、離着陸時12m/s |
| カメラ | Zenmuse X9-8K Air(35mmフルサイズセンサー) |
| 内部収録 | CinemaDNG 最大8K/25fps、Apple ProRes RAW 最大8K/75fps(RAWは有償ライセンス)、ProRes 422 HQ ほか |
| 基準感度 | EI 800/4000(30fps以下)、EI 320/1600(30fps超) |
| ダイナミックレンジ | 14ストップ以上(DJI公表値) |
| レンズマウント | DJI DLマウント |
| ジンバル | 360°パン(ランディングギア上げ時)、上向き80°チルト(チルトブースト・ギア下げ時) |
| 測位 | RTK対応(センチメートル級)、Waypoint Pro(反復ルート・3Dドリー) |
| 映像伝送・制御 | O3 Pro、デュアル制御モード対応 |
| タイムコード | 3.5mm端子による外部同期に対応 |
※仕様はDJI公表値です。最新の仕様はDJI公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. どんな場合にInspire 3が選ばれますか? A. 多いのは、撮影部・DITからCinemaDNGやProRes RAWでの収録が指定されているケースで、収録形式から逆算してInspire 3が指定されます。ほかに、レンズで画角を選びたい、飛行を保ったまま構図を細かく修正したい、といった条件が重なるカットでも適しています。RAW収録が必須でない場合や予算を優先する場合は、Mavic 4 Proなどの小型機での構成もご提案します。
Q. Inspire 3で撮る場合、必ず2オペになりますか? A. いいえ。1オペと2オペのどちらで組むかは、コンテの内容と撮影条件を見てTRICO.が判断します。自然風景をゆったりと見せるカットなどでは1オペが適している場面も多く、被写体の動きが読めないカットや複雑なロケーションでは2オペを選ぶことがあります。
Q. フォーカス送りが必要なカットはドローンチームが担当しますか? A. フォーカス送りは撮影部のフォーカスプラーが担う領域です。シビアなフォーカス送りが必要なカットがある場合は、TRICO.から事前に撮影部へ相談し、制作部を通じてそのカットにフォーカスプラーの手配が組めるよう調整します。
Q. 走行する車の撮影でWaypoint Proは使いますか? A. 使いません。Waypoint Proはスポーツモードでは使用できないため、速度の速い被写体はフルマニュアルで飛行し、事前のアングルチェックで絞り込んだ候補をもとに本番で狙って撮ります。Waypoint Proを使うのは、緻密なカットや再現性が必要なカット、スタート位置だけを記憶させたい場合です。
Q. 雨の日でも撮影できますか? A. Inspire 3の機体本体は防水仕様ではないため、基本的に雨天の飛行は避けています。霧雨・小雨程度なら飛行させる場合もありますが、レンズに雨滴が付いた時点でそのカットは使えなくなるため、降り方や現場の状況を見ながら判断します。
まとめ
Inspire 3が映画・CM・ドラマの空撮で使われる一番の理由は、CinemaDNGや8K ProRes RAWなど、撮影部が指定する収録形式で撮れることです。そこに交換レンズ、飛行とカメラワークを分けて操作できる機体設計、RTKによる精密な飛行が加わり、地上カメラや特機では撮れない空からのカットを担えます。
一方で、Inspire 3を使えば良い画が撮れるわけではありません。どのレンズを選ぶか、1オペと2オペのどちらで組むかといった判断と、撮影部の一員として現場で動ける対応力が仕上がりを左右します。
TRICO.では、2機体制で撮影を止めない準備を整え、撮影部・制作部と連携しながらInspire 3の空撮に臨んでいます。条件が固まっていない段階でも、お気軽にご相談ください。

COMPANY
| 会社名 | 株式会社TRICO. |
|---|---|
| 住所 | 〒104-0061 東京都中央区銀座1-12-4 N&E BLD. 7階 |
| 電話 | 090-3355-1480 |
| メール | info@team-trico.com |
| 代表者 | 石山 裕太 |
| 適格請求書発行事業者登録番号 | T1010001241161 |
| URL | https://team-trico.com/ |