トップ» コラム一覧» 船上・海上のドローン撮影完全ガイド|CM・映画・MVロケの許可申請・船舶手配・離着陸
船上・海上のドローン撮影は、海から見た街並みや港湾の景観、走る船そのものを空から見せたいときに選ばれる撮影方法です。CM・映画・ドラマ・MVのほか、観光プロモーションやドローンVRでも使われています。
ただし、陸上の空撮とは前提がいくつも変わります。離陸した場所は動き続け、甲板は揺れ、機体が落ちればそのまま海に沈みます。許可の窓口も、航空法に加えて海上保安部や港湾管理者が関わります。海上ロケでは、こうした条件を撮影の前に一つずつ潰しておけるかどうかで、当日の進み方が大きく変わります。
この記事では、TRICO.が東京湾をはじめとする海上ロケで実際に行っている判断をもとに、許可申請、船舶手配、天候判断、撮影パターンごとの進め方、離着陸、機材と人員の準備までを解説します。
今までの海上撮影で最も大変だった撮影は無人島まで釣り船で3時間かけて行き絶海の孤島で撮影を実施した時です。人生で2度と行くことはないと思います。

船上・海上のドローン撮影が選ばれる理由
東京都心部を例にすると、陸上からの空撮は許可の取得や離着陸場所の確保が難しい場所が少なくありません。港湾エリアは特にその傾向が強く、陸上に離着陸できる敷地が見つからない、見つかっても狭くて大きな動きのカットが撮れない、ということがよく起きます。船から飛ばせば、こうした制約の多くを避けられます。
海上ロケが選ばれる主な理由は次の通りです。
- 海側から見た湾岸の街並みや橋など、海上からしか撮れないアングルがある
- 港湾エリアは、陸上での離着陸の許可が取りにくい場所が多い
- 海上は周囲が開けているため、陸上の狭い敷地では組めない大きな動きのカットを作りやすい
- クルーザーや劇用船など、走る船そのものを被写体にできる
用途としては、CMの商品・ブランドカット、映画・ドラマの船上シーンや海上の移動シーン、MVのロケーションカット、観光VRの海上ルートなどがあります。いずれの場合も、ドローンは撮影船に乗るカメラの画を置き換えるものではありません。船上のカメラでは届かない高さ・距離・動きのカットを受け持つ役割です。
許可・申請|海上ロケで確認する法令と窓口
海上でのドローン撮影では、「空」「海」「乗下船する陸地」の3つのルールを確認します。
航空法|空のルールは陸上と同じ
航空法の飛行ルールは、海上でも陸上と同じように適用されます。150m以上の高さは水面からの高さで判断し、夜間飛行・目視外飛行・第三者や物件から30m未満での飛行には承認が必要です。
海上で見落としやすいのは、撮影に関わっていない他船も第三者の物件にあたる点です。撮影海域を他の船が通るのは珍しくないため、他船との距離を保てる飛行ルートと、接近してきたときの対応を飛行計画に入れておきます。また東京湾では、羽田空港の周辺空域(進入表面等)が湾内の広い範囲にかかるため、撮影海域がこれに該当するかを毎回確認します。
関連記事:CM・映画・広告のドローン撮影で必要な許可申請|発注前に確認すること
港則法・海上交通安全法|海上保安部への手続き
海上保安庁の案内では、ドローンの飛行そのものについては、港則法・海上交通安全法に基づく許可や届出は基本的に不要とされています。ただし、ドローンの飛行に関連して船舶交通に影響を及ぼすおそれがある場合は、許可または届出が必要です。例として挙げられているのが、操縦者が乗る船や撮影対象の船が、撮影のために他の船を避けられないケースです。
陸上から飛ばして海を撮るだけであれば、海上保安部の手続きが要らないこともあります。
一方、船に乗って撮影する海上ロケでは、撮影船を決まった位置に止めたり、劇用船と決まったコースを何度も走らせたりするため、許可が必要になる場面が多くなります。たとえば東京湾のレインボーブリッジ周辺で撮影した際は、乗船した船の船舶会社が、海上保安部と港湾局の許可を取得してくれます。(慣れていれば自社で取得することも可能)港則法の特定港内では港長の許可(工事・作業許可や行事許可)、海上交通安全法の適用海域では同法の許可・届出が対象になります。
許可を取るうえで欠かせないのが、停船ポイントの調整です。航路上には船を止められないため、撮りたいカットの画角や飛行ルートを踏まえて、どこで船を止めて離着陸・撮影するかをあらかじめ船舶会社と決め、そのポイントを含めて許可を取ります。当日になって「もう少し橋に寄った位置で止めたい」と思っても、航路にかかる場所や許可の範囲外には移れません。カットごとの船の位置は、ロケハンや打ち合わせの段階で詰めておきます。
手続きの方法や必要な日数は、管轄の海上保安部によって異なり、窓口への持参が基本だと思われます。以前は1か月近くかかる場合もありましたが、最近は手続きが緩和されてきています。それでも、撮影海域とカットが固まった時点で、余裕を持って準備を始めてください。
港湾管理者|港湾区域の水域を飛ぶ場合(東京港の例)
港湾区域の水域でドローンを飛ばす場合は、港湾管理者の取扱いも確認します。東京港では、東京都港湾局が港湾区域の水域でのドローン利用について取扱いを定めており、次の書類を事前に確認する運用になっています。
- 航空法に基づく許可・承認申請書と許可・承認書の写し
- 海上保安部に申請する行事許可または工事・作業許可における安全対策
- 飛行計画と飛行経路に関する資料
このように東京港では、港湾局の確認書類に海上保安部への申請内容が含まれるため、二つの手続きを並行して進めることになります。前述のレインボーブリッジ周辺の例のように、撮影に慣れた船舶会社が両方をまとめて担ってくれることもあります。なお、陸上から飛ばす場合でも、港湾区域の水域を飛ぶなら港湾局の取扱いの対象になります。
海しるで港則法の区域を確認する
港則法が適用される区域かどうかは、海上保安庁の「海しる(海洋状況表示システム)」で確認できます。TRICO.では、許可関連の下調べと、申請書類に添付する飛行範囲の作図に海しるを使っています。
港則法区域は、「すべてのレイヤー」→「海事」→「港則法適用港」→「港則法区域」のレイヤーをONにすると表示されます。

船舶手配|撮影に向く船の選び方
船を選ぶときに確認すること
船の条件で、使える機体や離着陸の方法がほぼ決まります。手配の段階で確認しておきたいのは次の点です。
- 甲板の広さと平らさ:大型機や離発着台を使うなら、平らで障害物のないスペースが必要です
- 頭上の障害物:マスト、アンテナ、屋根、手すりなどが離着陸の動線にかからないか
- 乗船人数:ドローンチームに加え、監督・撮影部・制作部・演者が乗る場合の定員
- 許可申請への対応:海上保安部・港湾管理者への申請を代行してくれるか。停船ポイントの調整も船舶会社と一緒に進めます
- 操船の自由度:劇用船を追う撮影なら、狙った速度で安定して走れるか、細かい回頭に応じてもらえるか
- 電源と機材スペース:バッテリー充電に使える電源の有無、機材を濡らさずに広げられる場所
- 発着場所:撮影海域までの移動時間、桟橋の使いやすさ
東京湾で撮影をサポートしている船舶会社
東京湾で船上から離発着する場合に、撮影を専門にサポートしてくれる会社を紹介します。保有している船は各社で異なるため、運用する機体や乗船人数に合わせて相談してください。料金は各社にお問い合わせください。
ジール撮影事業部(ZEAL) 映画、テレビ番組、CM、MVなどの海上撮影を専門にサポートしている会社です。船舶の手配に加えて、撮影許可申請の代行、安全管理、水中スタントや美術設置にも対応しており、プロダイバーや専門スタッフが在籍しています。TRICO.がいつもお世話になっている会社で、大型機を安全に運用できる平台船をチャーターし、さまざまな現場でサポートいただいています。東京湾以外でもマリンコーディネーターが在籍しているので船舶手配してくれるので心強いです。

アニバーサリークルーズ 洋上ロケーションに特化したサービスを提供しています。クルーザーや劇用船の手配、ロケーション提案、撮影許可申請代行までを含むトータルサポートが特徴です。24時間出航できる自社桟橋を持ち、演者の控室や機材置き場として使える施設も併設しています。
東京ウォータータクシー 小型船による水上輸送サービスを提供しており、ドローン撮影のための船舶手配や航行にも対応しています。行政書士事務所と連携し、申請手続きもまとめて依頼できます。
天候と時間帯の判断
船上ドローン撮影では、天候がもっとも重要な条件です。TRICO.では、風速を次のように目安にしています。
- 1〜3m/s:ベスト
- 3〜5m/s:波が出てくる。風に注意
- 5m/s以上:オペレーターの経験によるが、機材によっては離陸できないこともある
海上では、風に加えてうねりや波の高さも確認します。陸上なら問題のない風でも、船が揺れると離着陸が難しくなるためです。早朝は風が弱く海面が穏やかな日が多いため、時間帯もあわせて検討します。港の周辺では、船舶の航行が少ない時間帯を選ぶことも大切です。
これらの条件が満たせる日を、クライアント・船舶会社と調整します。海上ロケは天候で延期になる可能性が陸上より高いため、必ず予備日を設けてください。

撮影パターン別の進め方
海上ロケといっても、撮りたいカットによって船の選び方、体制、注意すべき点が変わります。ここでは、CM・映画・MVで多い3つのパターンに分けて解説します。
ケース1:劇用船を撮影船から追う走行カット
CMやMVで多いのが、走るクルーザーや劇用船をドローンで追いかけるカットです。ドローンチームは撮影船に乗り、被写体の劇用船と並走しながら撮影します。(劇用船に乗船して撮影するパターンも可)
最初に決めるのは、劇用船の速度とコースです。ドローンの高度・速度・軌道は、劇用船が決めた速度とコースで走ることを前提に組み立てるため、船長と事前にブリーフィングし、スタートの合図や、もう一度同じコースに戻るときの回り方まで共有しておきます。走行する船の撮影では自動航行(ウェイポイント)は使わず、完全マニュアルで飛ばし、船速が上がるカットではスポーツモードで追います。
被写体の船は、波や風で予定通りの位置を走らないことがあります。こうした撮影では、パイロットが飛行軌道だけ、カメラオペレーターが構図だけをそれぞれ修正できる2オペ体制を選ぶことがあります。1オペか2オペかは、カットの内容と海の条件を見てTRICO.が判断します。
レンズの選び方は、被写体の船とどれだけ距離を取るかに直結します。望遠寄りのレンズなら劇用船から距離を保ったまま画面を埋められ、背景の海や街並みも圧縮して見せられます。広角では海の広がりを見せやすい一方、被写体に近づく必要が出てきます。
見落としやすいのが撮影後の戻りです。撮影船も劇用船も動き続けているため、ドローンは離陸した地点ではなく「今の撮影船の位置」へ戻ることになります。撮影船が風上へ進んでいると、ドローンは向かい風の中で船を追いかける形になり、想定以上にバッテリーを使います。撮影船に減速や回頭をすぐお願いできるよう、操船側と無線やインカムで連絡が取れる体制にしておきます。
劇用船と撮影船を並走させる撮影は、海上保安部の許可が必要になる代表的なパターンです。走らせるコースや、テイクの合間に船を止める位置も許可の内容に関わるため、カットが固まった段階で船舶会社と詰めておきます。
ケース2:停船・低速の船上から海や湾岸の景観を撮る
海側から見た街並みや橋、港湾の景観を撮るパターンです。陸上に離着陸できる場所がない港湾エリアで、船を動かせる離着陸場所として使う考え方で、TRICO.のキービジュアルもこの方法で撮影しています。
被写体が動かないぶん、ケース1より飛行は組み立てやすくなります。船を止める位置は、前述の通り航路を外し、狙うカットの画角に合わせて事前に決めた停船ポイントになります。ただし、止めている間も撮影船は風や潮で少しずつ流されるため、ホームポイントの扱いや、撮影中に船が流された場合の回収方法を事前に決めておきます。景観が中心のカットでは、1オペのほうが進めやすいことも多くあります。
ケース3:大型機・VRドローンを船上で運用する
大型機やVRドローンを使う場合は、離着陸の方法から船の選び方が決まります。ハンドキャッチが難しい機体では、平らで広い甲板を持つ平台船を手配し、必要に応じて離発着台を設置します。
TRICO.のVRドローンでは、Matrice 400×TITANはハンドリリース・ハンドキャッチで運用し、ALTA X×TITANは離発着台を使います。VRドローンはカメラを機体の下部に搭載するためランディングギアが使えず、自作の離発着台に載せてカメラのセッティングを行います。この台は、山岳や船上での撮影経験から、組み立て・分解しやすい構成にしています。
船上で離発着台を使う場合は、台に対して決まった方向からアプローチする必要があるため(私が右からアプローチしたい)、操船で風向きとの関係を調整します。たとえば右舷側からアプローチする機体では、船を風と直角になるように回頭してもらいます。

海上ならではの技術的な判断
運航中の船からの離着陸と海上の風
ドローンの離着陸は、できる限り船を止めてもらって行うのが望ましい方法です。ただ、フェリーの撮影のように運航中の船を止められない場合は、走っている船の上から離着陸しなければなりません。
走行中の船の上で感じる風は、その海域で吹いている風に船の速度が加わったものです。1ノットは約0.5m/sなので、10ノットで走れば無風でも甲板上では約5m/sの向かい風になります。予報の風が穏やかでも、運航中の離着陸は強い風の中で行うのと同じ条件になり得るため、風向きをよく確かめ、機体は風下に向けてリリースします。甲板の上にはワイヤーやアンテナなどの障害物も多いため、リリースする方向とその先の空間まで確認してから離陸させます。
もう一つ注意が必要なのが機種です。機種によっては、船が動いている状態では離陸できないものがあります。離陸できる機種でも運用のしかたにポイントがあり、それを知らないまま運航中の撮影を引き受けると、当日に撮影ができなくなるおそれもあります。フェリーなど止められない船からの撮影を依頼する際は、運航中の船からの離着陸の経験があるかを依頼先に確認してください。
飛行中も、海上ならではの風に注意が必要です。海上は風を遮るものがないため、陸上より風が強くなります。船から遠く離れすぎると、向かい風に阻まれて船まで戻せなくなることもあるため、船との距離と風向きを常に意識しながら飛ばします。
ホームポイントとRTH|離陸地点は動き続けている
陸上では、通信が途切れたりバッテリーが減ったりすると、機体は離陸地点(ホームポイント)へ自動で戻ります。船上ではその離陸地点が動いているため、ホームポイントがそのままだと、自動帰還(RTH)が作動したときに機体は撮影船がいない海の上へ戻ろうとします。
Inspire 3では、動的ホームポイントを有効にしておくと、ホームポイントが定期的に送信機(プロポ)の位置で更新されます。船上撮影には欠かせない設定なので、離陸前の確認で忘れないようにします。ほかの機種で運用する場合も、同様の機能の有無と設定方法を事前に確認しておきます。あわせて、RTH時の上昇高度も、撮影海域にある橋や大型船の高さを考慮して設定します。
コンパスとセンサー|確認とキャリブレーションは陸上で
船の上は常に動いているうえ、鋼製の船体の影響も受けるため、コンパスのキャリブレーションができません。乗船前に必ず陸上で電源を入れてセンサーの状態を確認し、必要であればキャリブレーションまで済ませておきます。
また、ドローンの下方センサーは地面の模様を読み取って位置や高度を保つため、波で動き光を反射する水面の上では誤認識が起きやすくなります。水面すれすれを飛ぶカットや揺れる甲板への着陸では、センサーの挙動を理解したうえで操縦します。
水面の反射とPLフィルター
海上の撮影では、画面の大部分を水面が占めることがあります。反射を抑えて海の色や水の透明感を見せたいのか、光のきらめきを残したいのかで、PLフィルターを使うかどうかが変わります。どちらの画にするかは監督・撮影部の狙いに沿って決め、ドローン側はそれを実現する手段としてフィルターを選びます。
ドローンでPLを使うときに難しいのは、飛行中にフィルターの向きを調整できないことです。効き具合は地上で決めてから離陸しますが、PLの効果は太陽と撮影方向の角度で変わるため、船を追いながら機体の向きが変わるカットでは、途中で反射の見え方が変わります。カットの軌道と太陽の位置を踏まえ、どの区間で効かせたいかまで考えて合わせます。PLを付けると光量も落ちるため、NDとの組み合わせも含めて露出を決めます。
離着陸の方法と操船との連携
船上での離着陸は、揺れている狭いスペースで行わなければならないため、陸上とは違う経験が必要です。主な方法は次の3つです。
ハンドキャッチ
船上撮影でもっともよく使う方法です。TRICO.では、Mavicのような小型機も、Inspire 3のような中型機も、船上では基本的にハンドキャッチで回収しています。キャッチを担う補助員は手袋とゴーグルを着用し、ハンドキャッチに慣れたスタッフと組んで行います。

甲板に着陸
十分な広さがあり平らな甲板なら、陸上と同じようにそのまま着陸させることもできます。

離発着台を使う
平らなスペースを確保できない船で大型機を運用する場合は、コンパネなどで離着陸スペースを作り、イントレやイレクターを使って水平を出します。事前に船を下見するか、図面を入手してから作ります。

補助員の保護具
どの方法で離着陸する場合も、サポートする人員にはヘルメット・ゴーグル・手袋の着用が必須です。何も着けずに作業している現場を他社のインスタグラムなどで見かけることもありますが、TRICO.では補助員に必ず保護具を着用させています。けががあれば、どれだけいい画が撮れても後味が悪くなりますし、ロケそのものを中止しなければならない事態にもなりかねません。
風向きと回頭|船長との連携
船を止めて離陸する場合も、基本は風下に向けて行います。風上に向けて離陸すると、浮いたあとの機体が風に押されて自分たちのほうへ迫ってくることがあり、けがのおそれがあるためです。離陸のときは、船長に風下側が開くように回頭(船首の向きを変えること)してもらいます。
着陸のときは、着陸地点の真上でホバリングし、船の揺れに合わせてゆっくり降下させます。動いている船へのアプローチも同じ考え方です。近くを他の船が通ったあとは、航跡波で思っている以上に揺れることがあるため、海面が落ち着いてから離着陸します。
運航中の船から離着陸する場合は特に、事前に船長を含めた乗組員とブリーフィングを行い、離着陸のタイミングや合図、回頭をお願いする場面を共有しておきます。
機材と人員の準備
予備機とバッテリー
海上で機体を失うと、回収はほぼできません。海上ロケでは、トラブルが起きたときに撮影を続けられるかどうかが陸上以上に重要になるため、TRICO.ではInspire 3を2機運用できる体制を活かし、案件に応じて予備機を船に積み込みます。
バッテリーは、残量を多めに残して帰還させます。陸上と違い、船の揺れが収まるのを待ったり回頭してもらったりと、着陸までに時間がかかる場合があるためです。撮影が終わったら、機体はなるべく早く船へ戻します。
船上でも基本的に電子機器は使えるため、撮影中に充電が必要な場合は、使える電源を事前に船側と調整しておきます。船で充電できない場合は、ポータブル電源を持ち込んで対応します。
塩害・水没・転倒への対策
潮風は精密機器の大敵です。移動中も機材はケースやビニールに入れて潮風から守り、使用後の清掃も欠かさず行います。万が一の水没に備えて、機体によっては専用のフロートなどを取り付けて飛ばすのが望ましい場合もあります。モニターを載せた三脚などは船の揺れで倒れやすいため、ウエイトを載せるか船体に固縛しておきます。

補助者・操縦姿勢・船酔い
TRICO.の撮影は2名で伺うことが多いですが、船上でハンドキャッチを行う場合は補助員が必要になり、2オペで撮る場合は3人目の補助者がいたほうがより安全です。必要な人数はロケハンや打ち合わせで判断し、制作側にお伝えします。
オペレーターが船の揺れに負けずに操縦できるよう、安定した姿勢が取れる場所も確保します。また、モニターを見ながら操縦していると船酔いすることがあるため、酔い止めを飲んで対策しておきます。
ちなみに私はモニターを見ながら撮影を実施していても、結構な荒波でも船酔いすることはないです。
航海レーダーに近づかない
大型船舶に搭載されている航海レーダーなどは非常に強力です。アンテナに接近したり、照射範囲にむやみに近づいたりしないよう、飛行ルートを決めます。
発注前に整理しておきたいこと
海上ロケのドローン撮影をご相談いただく際、次の点が整理できていると、許可の要否や船の条件、体制の判断がスムーズに進みます。決まっていない項目があっても構いません。
- 撮りたいカットのイメージ(劇用船を追う、海から景観を撮る、船上の演者を空から見せる など)と、コンテやカット表の有無
- 撮影海域と、乗下船する港・桟橋の候補
- 劇用船・撮影船の有無と、船舶会社の手配状況
- 乗船予定の人数(演者・撮影部・制作部など)
- 撮影日と予備日、希望する時間帯(早朝・夕景など)
- 撮影船の上で地上カメラの撮影を並行して行うか
- 想定予算
ロケハンから申請、当日の撮影、データの受け渡しまでの全体の流れは、下記で解説しています。
関連記事:CM・映画ドローン撮影のワークフロー|ロケハンからDIT納品まで
TRICO.にご相談いただけること
TRICO.は東京を拠点に、東京湾をはじめとする海上ロケのドローン撮影に対応しています。
- 撮影海域の法令・管理者の確認と航空局への申請、海上保安部・港湾管理者の手続きに必要な飛行計画や停船ポイントの船舶会社との調整
- 撮影内容に合う船の条件の整理と、船舶会社との調整
- 撮影パターンに合わせた機体・レンズ・体制(1オペか2オペか、補助者の要否)の判断
- 予備機を含めた機材の準備(対人・対物10億円の賠償責任保険に加入)
- 劇用船の追走、海上からの景観、フェリーなど運航中の船からの撮影、VRドローンなど、パターンの異なる海上撮影の実施
海上ロケが実現できるかどうかわからない段階でも、撮りたいカットのイメージがあればご相談ください。
[海上ロケのご相談はこちら → お問い合わせページへ]

よくある質問
Q. 船からドローンを飛ばす場合、海上保安部の許可は必要ですか? A. ドローンの飛行そのものについては、港則法・海上交通安全法に基づく許可や届出は基本的に不要とされています。船上から撮影する海上ロケでは許可が必要になる場面が多くあります。東京湾のレインボーブリッジ周辺での撮影では、乗船した船の船舶会社が海上保安部と港湾局の許可を取得します。航路上には船を止められないため、カットに合わせた停船ポイントも事前に調整して許可を取ります。
Q. 陸上から海の上を撮影する場合も手続きは必要ですか?
A. 陸上から飛ばして海上を撮影するだけであれば、港則法・海上交通安全法の許可・届出は基本的に不要です。ただし、港湾区域の水域を飛ぶ場合は港湾管理者の取扱いの対象になることがあり、航空法の許可・承認も陸上と同様に必要になります。
Q. 申請にはどれくらいの期間が必要ですか?
A. 海上保安部や港湾管理者の手続きは窓口ごとに必要な日数が異なるため、撮影海域が決まった時点でご相談ください。第三管区海上保安部ですと最低でも1週間前までには書類を揃えて提出する必要があります。
Q. 走っている船からでも離着陸できますか?
A. 可能です。
Q. 撮影用の船も手配してもらえますか?
A. 撮影内容に合う船の条件を整理したうえで、船舶会社との調整をご相談いただけます。乗船人数によって適した船が変わるため、撮りたいカットとあわせてお知らせください。
Q. VR(360°)の撮影も船上でできますか?
A. 可能です。TRICO.はMatrice 400×TITAN、ALTA X×TITANのVRドローンを船上でも運用しており、機体に応じてハンドキャッチや離発着台を使い分けています。
まとめ
船上・海上のドローン撮影は、陸上では撮れないアングルや走る船の姿を空から見せられる一方、許可の窓口、船の条件、動き続けるホームポイント、揺れる甲板での離着陸など、陸上にはない判断が加わります。劇用船を追うのか、海から景観を撮るのか、大型機やVRドローンを使うのかによって、必要な船も体制も変わります。
海上ロケをご検討の際は、撮りたいカットのイメージが固まりきっていない段階でもお気軽にご相談ください。

COMPANY
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| 住所 | 〒104-0061 東京都中央区銀座1-12-4 N&E BLD. 7階 |
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| 代表者 | 石山 裕太 |
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